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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
エディソンは唄う
最近パソコンの調子がおかしい。
妙な音が出たり、うまく立ち上がらなかったり。

こういうときはクリニックのスタッフにエキスパートがそろっていてすぐ対応してくれるのはありがたいが、買い換えてから三年、どうもいよいよ寿命が来たようだ。

せっかくなれたXPだが今度変えればヴィスタになる。だが、慣れの問題もあるのかヴィスタはあまりクリニックでは評判がよくない。
いま少し、だましだまし続けてみるかと悩んでいるところに、今日の日経の文化欄が目に入った。
エディソンは唄う”と題して、皆川博子が書いている。僕の一つ違いの姉だ。
子供の頃から本の虫で、原稿用紙の升目を埋めるのを生きがいにしてきた。その甲斐あってか、20年ほど前に直木賞ももらっている。

この子はよいときゃほんとによいが、悪いとなると手がつけられぬ
発明王トーマスエディソンは、機嫌がいいとき、こう口ずさむのが常だった、と「エディソン伝」に記されていた、という書き出しで、この子パソコンになぞらえて、原稿を書く程度なら昔のワープロ専用機で充分なのに、それが消えたいま、いかにパソコンのご機嫌取りに終始しているか、その恨みつらみをぶつけている。

そのエディソン伝は僕も愛読してよく覚えているし、パソコンとの相性の悪さは姉貴にも負けないつもりだ。
だが僕の場合は姉と違って稀代の悪筆で、自分の字が読めない。その僕が打ってもパソコンは立派な文字をプリントアウトしてくれる。
又海外とのやり取り、原稿の添削、更には講演のパワーポイントなど、もはやパソコンは僕にとっては不可欠である。

しかしこれが進歩なのだろうか?姉貴は問いかける。
文明とは恐ろしいと断罪し、“明治を跳び越して江戸の生き残りの気分で、日々を過ごしている”と結んでいる。

ちなみに姉の作品の舞台は殆どが江戸時代の芝居小屋で、作者はひたすら河原乞食の世界にひたっており、弟が必死にパソコンと格闘している再生医療だの、ゲノム解析だのとはほど遠い昔を生きている。

幸せなお方である。
by n_shioya | 2007-09-02 21:54 | QOL | Comments(0)


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