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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
ついにくるところまで来てしまったのか、近着のニューズウィークを読みながらそう思った。
遺伝子操作が可能になり、同時に人間のゲノムも分析され、次のターゲットは遺伝子そのものを合成して、自動複製するつまり人工の細胞をつくることだという。 既にシンセティック・バイオロジーとして学会も誕生し、その成果を先取りしたベンチャーがもうすでにアメリカでは誕生しているという。 確かに自然界の遺伝子は役立たずのジャンク遺伝子が圧倒的に多いので、それをそぎ落として、目的にかなったゲノムを作れば効果的には違いないが、何十億年をかけて作り上げてきたゲノム群の構成はそれなりに意味があるはずというのが、反対派の意見である。 又、宗教家は別の意味で、生命をもてあそぶことに異議を唱えているという。 だが、既存の細胞を前提とせず、目的にかなった新種の細胞を造るということ考えは魅力的である。 たとえば動脈硬化のアテロームという膨らみを貪食してくれる細胞がつくれたら、血栓を融解させる細胞を適量注入して脳梗塞、心筋梗塞の予防に利用したらとか、ホルモン感受性の異なる脂肪細胞や、新鮮なコラーゲンを分泌する新種の繊維芽細胞など、など応用範囲は数知れずあるし、少なくも再生医療の考えは根本的に変わってくるだろうし、アンチエイジングも飛躍的に進歩するだろう。 早速この分野で僕の指南役の従兄弟に電話をした。 “シンセティック・バイオロジー?確かに耳にするけど、まだ言葉の遊びですね。”という答えが返ってきた。 ちなみに同じ特集で、二重螺旋のワトソン博士が自分のゲノム分析を公表するという話が載っていた。 目的は学問の進歩のためということだが、僕のブログ程度でもいい加減露出狂扱いされるのに、自分の遺伝子までとはお見事というしかない。ただ面白いのは、一つだけ結果がどうあれ絶対に公表せず、本人にも隠しておくと約束させた遺伝子があるそうだ。 何でしょう。 アルツハイマーの遺伝子である。 理由は、それがあるとわかったら、思い出せないことがあるたびに、アルツハイマーが進行しているかと心配せにゃならぬのでということである。
by n_shioya
| 2007-06-02 22:32
| アンチエイジング
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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