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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
二月初旬というのに春のような陽気である。
そろそろパンジーを植えなければという配偶者のお供で、サカタに苗の買出しに行った。 配偶者は庭弄りが好きで、ほっておけば一日中庭仕事をしている。 ペットと同じで草花も、世話する人の気持ちを見抜くようで、彼女の手にかかると皆生き生きと育つ。頂き物の蘭なども温室もないのに毎年花を咲かせ、お陰で蘭の鉢は溜まる一方である。 こういうヒトをGreen Thumb(緑の親指)を持っていると言うようだ。 ![]() 僕も昔小学生の頃は園芸に凝っていたことがる。戦時中で肥料など手に入らなかった時代だ。おまけに世田谷の我が家は赤土で、しかも南側に高い家が建っており、日当たりも風通しも悪かった。 その頃澁谷の父の診療所には祖父母が住んでおり、もう隠居していた東北出身の祖父は畑仕事が得意だった。堆肥も自分で作り、鶏糞などもどこからか手に入れ、百合だの苣だの立派に育てていた。 一度行商から買った百合の球根を分けてもらい、祖父と同時に世田谷にも植えたことがある。 やっと綺麗な花を咲かせ、喜んで祖父を訪ねたら、向こうの花は倍近くの大きさで色もずっと鮮やかなので、がっくり来たことがあった。 土は入れ替えることが出来ても、日当たりと風通しはどうしようもない致命的なファクターだと思い知らされた。 戦争が終わるとやがて苗や球根やそして肥料も少しずつ手に入るようになり、薔薇やチューリップ、グラジオラス、ダリアなどで庭を埋め尽くすことが出来るようになった。 黄色の大輪のピースという新種が時代を反映して人気を呼んだのもその頃である。又、外人演奏家の走りで来日したソプラノ歌手、ヘレン・トローベルは、その名を冠した薔薇があるというのが園芸家の間では評判になった。僕のお気に入りはノクターンだった。濃い深紅の大輪で名前にみせられたのと、虫がつきにくく又我が家の土と相性がよいのか、余り手がかからなかったのである。 ヒアシンスの水栽培もしばらくつづけた。これこそ水を時折替えるだけで、全く手がかからない。 後に研究で細胞培養を始めるようになり、なかなか言うことを聞かぬヒト細胞と格闘し、よくその頃のことを思い出したものである。 その後、本業が忙しくなり、患者の皮膚移植や細胞培養に終われ、植物まで手が回らなくなってしまった。 この数十年、庭仕事どころか、小枝一本きろうとしない僕に配偶者は愛想を尽かし、いくらかっての花つくりの栄光を披露しても信じてくれない。 最近は少し気分的にも余裕が出来たので、この辺で昔取った杵柄を、と密かに思っている。 “僕の緑の親指よ、永の眠りから覚めておくれ!”
by n_shioya
| 2007-01-27 18:08
| QOL
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Comments(2)
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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