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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
“これ如何でしょう”と秘書嬢が手渡してくれたのは、「ヘンダーソン夫人の贈り物」というイギリス映画のパソコンからのプリントアウトだった。
“ふむ、ジュディ・デンチが主演か、これにしよう”と僕はわかったような返事をした。 午後のアポが急にキャンセルになり、しばらく観てないのでなにか映画が見たいと、このところ配偶者が言い募っていたので、何かいいのは無い?と秘書嬢に検索を頼んだのである。 楽しくてきれいでというのが、配偶者の希望であった。 数時間後、東急文化村で配偶者と落ち合い、カフェドゥマゴで軽くランチを済まし、平日の午後でガラガラのル・シネマにおさまった。 夫を亡くし、突然莫大な遺産が転がり込んだヘンダーソン夫人は、ロンドンのウェストエンドのウィンドミルという劇場を買い取り、その頃としては破天荒なヌードレビューをおっぱじめる。 やがてドイツのロンドン空襲が始まり、ロンドンは瓦礫の山。灯火管制を命ずる当局との軋轢の中で、敢然として地下の劇場でショウを続ける。 なぜ彼女がそこまでヌードショーにこだわったか、何が贈り物なのかは最後に分かるが、それは観てのお楽しみとして、やはりデンチは大女優である。以前見たのは“恋におちたシェークスピア”のエリザベス女王だったか。 何より楽しめたのは、イギリス人の不屈のユーモア精神である。 逆境にあるほど、自分自身を笑いのめす。 僕は昔、アメリカでのインターン時代に接した、イギリスからの交換研修医のしたたかさを思い出した。 当時、アメリカに唯一残された奴隷制度とまで言われた苛酷なインターン生活の中で、ほかのインターンたちが仕事に追いまくられて、罵詈雑言が飛び交うような時でも、彼等だけは決して弱音を吐かず、キリキリ舞いしている自分自身を茶化す余裕を持っていた。 自分自身をからかえることこそ本当のユーモアだと思い知らされたのである。 ところで劇場の入り口で渡されたチラシの言葉が気に入った。 “人生は決して色褪せない” いいじゃないですか、そのままアンチエイジングのモットーに頂きである。 ![]()
by n_shioya
| 2007-01-23 22:45
| コーヒーブレーク
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Comments(2)
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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