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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
英語習得の三段階
寒さが厳しくなるとハワイが恋しくなる。
そして何時も思い出すのは、半世紀前、始めてフルブライト留学生として、ワイキキビーチの砂浜を素足で踏んだときの感激である。
興奮不安の入り混じった気持ち。不安の第一は自分の英語が本国で通じるかどうかだった。

結局アメリカ滞在は8年に及んだが、語学が目的の留学ではないので、ある程度通じるようになるとそれ以上の進歩はなかったが、そこまで到達するのに三段階を経たように思う。

初めて本国で使った英語は、ドラッグストアでコダックのフィルムを買った時である。
これも始めて手にするドル紙幣を店員に渡し、無事フィルムとお釣りのコインを手にしたときは正直ほっとした。仲間のフルブライターも皆同じ思いだったと見え、ワー、通じた、通じたと皆いっせいにフィルムや絵葉書を手にして喜んでいた。
母国で習った英語が現地でも通用すると嬉しがるのが第一段階である。

次の第二段階は意外に早く訪れる。
やはり、英語と日本語は違う、当然ながら習慣の違いひいては文化の相違まで気づかされる時期である。
例えば日本なら、何々をして差し上げましょうか?という時にかの地では、Would you like me to do such and such?(汝は余がこれを汝のためにすることを欲するか・・・どぎつく訳せば)という言い方をする。
これがいかにも押し付けがましいというか、恩着せがましいというか、違和感を覚えたのを思い出す。
これをただ表現の違いと見るか、アグリー アメリカンに通ずる面と捉えてもいいか、言語学者か人類学者にお伺いしたいところであるが。

このように習慣や文化の違いと格闘し、やがて違和感も薄れると、今度はやはり同じ人間のしゃべることはやはり、多少の色合いの違いはあっても、似たようなものだと悟るようになる。
例えば、“I don’t care.”といった場合、かまいませんよと言う意味だが、実は I do care、but・・・という婉曲否定の場合もある。つまり言い方によっては、“俺は気に入らねー、だけどお前さんがやりたきゃ勝手にどうぞ”という捨てぜりふに近いニュアンスを持つこともある。
このぼかし方など、京都人のいやらしさ(失礼)と相通ずるもがあるのではないか。
京都で、どうぞお上がりになってといわれてノコノコ靴を脱いだら田舎もの、何か召し上がってと勧められて、居座ってご馳走になったら近所中の笑いものになると聞いているが。
つまり人間の振る舞い、人情の機微は洋の東西を問わぬという認識に到るのが第三段階である。
by n_shioya | 2007-01-20 19:04 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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