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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
先日は教育基本法がらみで、自民党や霞ヶ関をこき下ろし文科省廃止論まで唱えたが,
僕は決してアナーキストでもないし、又一時のヒステリー発作でもない。 だが戦後の学制改革の混乱のあおりをくらい、学校教育とひいては国家に対する根強い不信感があることは確かだ。 また、本質的にはというか現実的には、政府や政治家は必要悪であると認識した方が受け止めやすいとも思っている。 なぜなら政治とは人間社会に「秩序」をもたらす営みだからである。 そして秩序を維持するためには権力が必要である。 しかも政治を動かすのは人間である。残念ながら政治家、役人も人間である以上、普通の人と同じようにいやそれ以上に権力志向が強く、利権にしがみつく傾向がある。 彼らが国民の利益よりも自己保全と昇進を優先させるのは当然であろう。 そして彼らは自分の権益が侵されそうなときは、国家の名において、個人の自由を侵害しようとする怪物に変貌する。 桜田淳氏に拠れば、「政治は恫喝と利益誘導と象徴の操作による説得で秩序の維持を試みる」という。(詳しい事はちくま新書の氏の「国家の役割とは何か」をお読みいただきたい。) 財務や経済産業育成に関ることはある程度それもやむをえないだろう。 だが教育は違う。 教育とはものの考え方そして価値観を植えつけるものである。 権力闘争に明け暮れ、利権にどっぷり使ったやくざな連中には、子供たちに価値観を説く資格があるだろうか。 逆に彼等は体制維持に都合よくすべく、やがては思想のコントロールを試みるであろう。 だいたい恫喝によって愛国心が生まれると思うか、この大馬鹿者めが。 かねがね疑問に思うことは、学校教育が何故本当に必要なのかと言うことである。 教養、人格育成のためなら、もし可能なら個人教育のほうがはるかに優れているといえよう。 学校教育は一つには、教える側の便宜のために考案されたものと言える。 一時間ごとに算数、国語、理科と頭を、まして興味の対象を切り替えさせられることが如何に不自然なことか。 とはいうものの社会生活への順応と、友達を得ることだけでも、充分に学校生活の意義は認めるが。 為政者よ、まず人間はどうあるべきかを考え、自分でそれを実行すべく努力せよ。 そして如何に利己的でなく、金に綺麗で、権力に恬淡であることが難しいか自覚せよ。 自分が如何に卑劣な妥協の産物か、恥ずかしく思え。 そして素直に自分達の非を子供たちに詫びたうえで恥ずべき行動をやむなく続けるなら、ちっとは子供たちも見直してくれるだろう、ダブルスタンダードに一番敏感で、反吐をもよおすのは子供たちだから。 そして教育と文化には充分な予算をつけ、へたな口出しは一切控えること。そうすればこの国もちっとは美しくなるかもしれない。
by n_shioya
| 2006-11-22 17:11
| コーヒーブレーク
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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