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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
中丸三千絵
中丸三千絵。世界的なオペラ歌手。

お名前だけは十分存じ上げているが、まだお聴きする機会がなかった。
それが、形成外科基礎学術集会というお堅い学会の前夜、素晴らしいソプラノで、アリアの数々を堪能させてくださるとは予想もしてなかった。
会長招宴のメインイベントとして学会長、埼玉医大中塚教授と教室の方の粋なお計らいである。
中丸三千絵_b0084241_10484651.jpg

そもそも学会に、少なくも形成外科の学会に、リサイタル、コンサートを持ち込んだのは僕が最初ではないかと自負している。
30年以上前に形成外科総会を横浜で開催したとき、僕の幼稚園からの親友で当時芸大のビオラ教授朝妻文樹が、自分で指揮棒を振っていたアカデミカーアンサンブルを引き連れ、会長招宴に友情出演してくれたのである。

実はこのアイデアを彼に相談する際、当時あまり前例がなかったのでチョッと躊躇した。
神聖な音楽を宴会の席では御免こうむる、といわれないかと。

反対に彼は“実はこういう話が来ないか、待っていたんだよ。君ね、元来バロックなんて王侯貴族が晩餐の席の余興として楽しんだものなんだ。
君たちもせいぜい気楽に王侯貴族の気分で楽しんでくれたまえ。”
といってくれた。

幸いフルート独奏を交えたアンサンブルは大好評だった。

中丸三千絵のリサイタルも素晴らしかったが、アンコール前の語りにもすっかり感動した。

“皆様を楽しませる声を何時までも保つために、私は色々と発声のための体力づくりにも励んでいます。このあたりに先生方の医学との接点があるのではないでしょうか。”
これこそまさに我々が今取り組んでいるアンチエイジング・メディシンに対する真摯な期待である。

終了後、非礼を省みず中丸三千絵さんを控え室に尋ね、サインをいただいた。
そして一つだけど素人の質問をさせていただいた。

シュライヤーにしてもシュヴァルツコップにしても、晩年は表現力の工夫によって声の衰えをカバーしたように思えますが?”
“私はそれは逃げだと思います。”
明快な答えが戻ってきた。

そうです、中丸三千絵さん。我々もアンチエイジング・メディシンに真剣に取り組みましょう、ディーバがいつまでもディーバであり続けるためにも。
中丸三千絵_b0084241_919874.jpg

by n_shioya | 2006-10-11 22:35 | アンチエイジング | Comments(1)
Commented by 市村まや at 2006-10-13 16:36 x
微妙な表現力を要求される音楽家の努力、実にすばらしいです。舞台上での緊張感、人に見られているというモチベーションは何よりの美容法ではないでしょうか。天才の域に達した芸術家たちの作品にすぐにでも触れられる日本の素晴らしさ! 嬉しいことです。


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