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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
中丸三千絵。世界的なオペラ歌手。
お名前だけは十分存じ上げているが、まだお聴きする機会がなかった。 それが、形成外科基礎学術集会というお堅い学会の前夜、素晴らしいソプラノで、アリアの数々を堪能させてくださるとは予想もしてなかった。 会長招宴のメインイベントとして学会長、埼玉医大中塚教授と教室の方の粋なお計らいである。 そもそも学会に、少なくも形成外科の学会に、リサイタル、コンサートを持ち込んだのは僕が最初ではないかと自負している。 30年以上前に形成外科総会を横浜で開催したとき、僕の幼稚園からの親友で当時芸大のビオラ教授朝妻文樹が、自分で指揮棒を振っていたアカデミカーアンサンブルを引き連れ、会長招宴に友情出演してくれたのである。 実はこのアイデアを彼に相談する際、当時あまり前例がなかったのでチョッと躊躇した。 神聖な音楽を宴会の席では御免こうむる、といわれないかと。 反対に彼は“実はこういう話が来ないか、待っていたんだよ。君ね、元来バロックなんて王侯貴族が晩餐の席の余興として楽しんだものなんだ。 君たちもせいぜい気楽に王侯貴族の気分で楽しんでくれたまえ。” といってくれた。 幸いフルート独奏を交えたアンサンブルは大好評だった。 中丸三千絵のリサイタルも素晴らしかったが、アンコール前の語りにもすっかり感動した。 “皆様を楽しませる声を何時までも保つために、私は色々と発声のための体力づくりにも励んでいます。このあたりに先生方の医学との接点があるのではないでしょうか。” これこそまさに我々が今取り組んでいるアンチエイジング・メディシンに対する真摯な期待である。 終了後、非礼を省みず中丸三千絵さんを控え室に尋ね、サインをいただいた。 そして一つだけど素人の質問をさせていただいた。 “シュライヤーにしてもシュヴァルツコップにしても、晩年は表現力の工夫によって声の衰えをカバーしたように思えますが?” “私はそれは逃げだと思います。” 明快な答えが戻ってきた。 そうです、中丸三千絵さん。我々もアンチエイジング・メディシンに真剣に取り組みましょう、ディーバがいつまでもディーバであり続けるためにも。
by n_shioya
| 2006-10-11 22:35
| アンチエイジング
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Comments(1)
Commented
by
市村まや
at 2006-10-13 16:36
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微妙な表現力を要求される音楽家の努力、実にすばらしいです。舞台上での緊張感、人に見られているというモチベーションは何よりの美容法ではないでしょうか。天才の域に達した芸術家たちの作品にすぐにでも触れられる日本の素晴らしさ! 嬉しいことです。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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