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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
美女軍団の侮りがたい点は虚をついて難問を投げかけてくることにある。
数日前も結婚して二年目の一人が、“内助の功ってどんなことでしょう?”と問いかけてきた。 “うーん、それは・・・”と野獣は詰まってしまった。 実は結婚して50年。ただの一度も考えたことが無かったのだ。 改めて考えると、配偶者のなすことすべて内助の功といえないことも無い。 そう、かっての留学時代、日本人留学生の妻はアメリカ人仲間の羨望の的であった。 オルバニーにグリーンストリートという、名前にふさわしくない赤線地域があった。 そこへ夜な夜な出没しては、白黒問わず、失礼、現地女性との交流に励んでいた豪傑がいた。日本に残された奥さんは、夫がそのような場で日本男子として恥をかかないよう、内職までして、軍資金を送り続けていた。 別の某君の場合は昼旦那の留守の間、車をせっせと磨いている。夕方旦那は帰宅すると、シャワーを浴び、パリッと着替え、ピカピカになった車に乗り込んで、何処へかドライブに出る、細君のお辞儀に見送られて。 もちろん女権意識の強いヤンキー妻たちは黙っていない。“貴殿らの行動はわれわれの配偶者に対してよろしからぬ影響を及ぼす。”と医師のワイフの連盟から二人とも抗議文を突きつけられたという。 僕にしても、スコブルつきの無精者だ。 朝起きれば、前夜配偶者が枕元に並べてくれた下着からシャツ、ネクタイそしてスーツを身につけ、これも配偶者が磨いておいた靴を履いて出勤する。自分でやれば左右がチンバでもこの男、気づかないだろう。 洗髪は月一度の散髪のときだけ。体も自発的に洗うのは年に一、二回。合間に配偶者が暴力的に垢すりをしてくれなければ、その臭気は山下公園のホームレスといい勝負になるだろう。 こう考えると、僕がこれまで美女軍団の皆様からあまり顰蹙を買わないですんでいる?のは、ひとえに配偶者の内助の功といえる。 これではあまりお答えになってないのは重々承知だが、実は冒頭に述べた美女のご下問以来、内助の功について考え続けるほどに、その有難さに打ちのめされて、それをあからさまにご報告するのに、さすがの僕も恥じらいを感じているからである。
by n_shioya
| 2006-07-30 22:45
| QOL
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Comments(3)
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RO
at 2006-07-31 18:36
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お答えありがとうございました。日頃お伺いするお話から、最もこの質問のお答えをご存知でいらっしゃりそうな塩谷先生にお伺い致しました。その先生でも、いつもは・・・結婚なさって50年、顧みることがなかったということは、幸せな男性ほど意識されないものなのでしょう。まだ2年目の私ですが、50年経って主人にそんな風に思ってもらえるといいなっと思いました。先生に頂いた結婚祝いのワイングラスで結婚記念日には乾杯をしています。その日には、一年の自分をそっと振り返ってみることに致します。ありがとうございました。
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n_shioya at 2006-07-31 20:59
コメント有難うございます。
真面目にお答えしなければと呻吟しております。 改めて感謝しているのは、これまで子供の前で、また他人の前でもですが、僕が自信をなくしたり、面子を失ったりすることは一度も言われたことが無いことです。 励ましたり、悪口といわないといった具体的なこと以前に、いつもこちら側で支えてくれているという安心感でしょうか。 不思議と我々は、趣味でも価値観でも、ジャンル的には共通なものがありますが、ひとつのジャンル内での好みは正反対なことが多々あります。 それが適度な緊張感を生んで、あまり退屈することなく50年やってきたようにも思います。 結婚とは綱渡りのようなもの、と申しましたが、適度な緊張はバランスを意識するのに役に立つようです。 最後に付け加えますと、この万事いい加減な男が、曲がりなりにも人並みに振舞ってこられたのも、配偶者の暖かいが厳しい目があったこそ、つまりこれが内助の功といえるのではないかと思います。 お答えになったでしょうか?
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by
RO
at 2006-08-01 10:47
x
具体的なお話を頂きとても参考になりました。ある事柄に関する見解は、女性と男性では異なるので、今回は是非、男性の意見を伺ってみたいと思っておりました。塩谷先生にお伺いし、納得のお答えを頂きました。私も心がけて参ります。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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