|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
年寄りは金になるか?
勿論、と思うでしょう。 リフォーム詐欺とかオレオレ詐欺とか、このところ高齢者は詐欺師のいい鴨になっている。 勿論どこかの国の金庫番のように、詐欺にあったような振りをしてしこたま儲けているしぶとい老人もいないではないが。 泥棒に金庫番とはまさにこのことだ。 屁理屈にもならない弁解で逃げ切れるのも、年の功という奴か。 勿論ここで取り上げたいのはそんなことではない。 高齢化社会に向けてこれからの経済を考える時、高齢者がらみでいろいろな問題が浮かび上がってくる。 ①まず老人は若者の重荷に過ぎないのか? ②老人に生産性はないのか? ③高齢者に向けて新しいビジネスモデルの展開はないのか、この中にはアンチエイジングをビジネスに落とし込む可能性も含まれる。 ④内需拡大に老人も貢献できるのではないか 等々である。 とここまで書いてきて、老人、老人と自分で言ってきたがどうもこの言葉自体が否定的な価値観を含むように感じ、もっといい言葉はと模索したが、高齢者というとなお無機的というかしかつめらしい感じがするし、あまりよい言葉がないので、馴染みのある言葉、すなわち老人で通すこととする。 いま上げた四つの事柄は皆関連があるが、まず最初の問い①に対しては、こう言い返したい。 老人だって充分社会の役に立っている。 確かに狭い意味の生産性では落ちるかもしれないが、判断力では永年の経験がモノをいう場合がいくらもある。 そもそもいまの55歳の定年制は、平均寿命が5,60歳の明治の頃の発想だというではないか。 とは言うものの、外科医の場合はスキルの衰えは覆うべくもないし、又、認知症を発症してからも手術を続け、痛ましい犠牲者を生み続けた、前世紀のドイツの国手、ベルリン大学のザウエルブルッフ教授の悲劇を無視することは出来ないが。 だが昔と違いいまは60歳台でも70歳台でも、大方はピンピンしているし、働く意欲も十二分にある。ただ、その場が与えられないだけだ。 だが、身勝手なのは若者の特性である。 老人はお荷物といいながら、働こうとすれば俺達の職場を奪うのかという。 これだけでは①の命題に対する反論にはなっていないかもしれないが、今後この場で②、③、④の課題に取り組むことによって、①への答えを出していきたい。
by n_shioya
| 2006-07-06 23:11
| QOL
|
Comments(0)
|
塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 アンチエイジング スキンケア 医療崩壊 キズのケア QOL 老年病 介護 手術 全身療法 食生活 サプリメント エクササイズ エステティック ヘアケア 美について コーヒーブレーク 医療全般 原発事故 睡眠 美容外科 再生医療 再生医療 未分類 最新のコメント
フォロー中のブログ
ICELANDia アイ... 九十代万歳! (旧 八... ・・・いいんじゃない? 京都発、ヘッドハンターの日記 美容外科医のモノローグ ArtArtArt 芙蓉のひとりごと 真を求めて 皆様とともに... ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
|
ファン申請 |
||