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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
日野原さんが“怖いですよ”と、死について本音を語ってくださったので、僕も気楽に死について話す気になった。 だが、考えてみるとこの極楽とんぼ、死については直面したこともないし、考えたこともない。 “死を見つめることはよく生きることである”など言われても、何その禅問答?と軽くいなしてきた。 でもただ一度だけ、あ、これかもと感じたことがある。 60年前、僕はフルブライト留学生として、羽田空港に待機している4発のプロペラ機、ボーイング・ストラトクルーザーに乗り込むところだった。 当時は外貨持ち出しがただの20ドル。今のように学生がアルバイトの稼ぎで簡単に海外に行ける時代ではなく、フルブライト奨学金が必須だった。それまでは留学生のためには氷川丸が使われていたが、僕の年からプロペラ機になった。 そして家族や友人が総出で羽田まで見送りに来て、万歳を叫んでくれた。 タラップを登り、背後の扉がビシッと閉じた瞬間、“あ、これで日本とは縁が切れたのだ、もう戻れない”と実感した。 この先は全くの未知の世界。 一瞬「不安」を感じなかったわけではない。 だがボーイングの2階建ての巨体が離陸する頃には、もう心は未来への期待で一杯になっていた。 ひょっとしてあの未知への不安が、「死に直面した時の感じ?」と思い返したのはだいぶ後である。
by n_shioya
| 2017-10-07 21:54
| コーヒーブレーク
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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