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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
お袋の教え
積極的に親不孝をしたわけではないが、あまり親孝行もできなかったことを今更悔やんでいる。
具体的にどうこうではないが、本当にして欲しいような対応をしなかったのではという申し訳なささである。

親父は寛大であった。こうせいとか、それはあかんということはほとんどなかった。好きなことを好きなようにさせてもらった。
ただ一度だけ、反対されたことがある。それは、中学受験から逃げたくて特攻隊を志願した時である。敵は本音を見破ったのか、“受験してからにしろ”という。それじゃ間尺に合わないので諦めた。しかも、“お前のように運動神経の鈍いヤツは、敵艦に到達する前に撃ち落とされてしまう”とまで言われた。
僕が「運動コンプレックス」を持つようになったのはこのためである。

お袋は誇り高い奈良女高師出の超教育ママだった。
信じてくれる人はいないだろうが、子供の頃僕は家事の手伝いが好きだった。
勉強は全く相に合わなかった。
朝雨戸を開け、布団の上げ下ろし、風呂の竈焚き、特にマキをたいての竃の飯炊きは僕にかなう者はいなかった。
ある時ふと、“こうして風呂焚きを一生してれば幸せだ”と、一言漏らしたのがお袋の耳に入り、教育ママは烈火のごとく怒った。
“台所から出て行きなさい!もう絶対入りなさんな!”
お袋の教えは厳しかった。
“なんでも全力を出しきりなさい。そうすればたとえ失敗しても悔いは残らない。まして、本当はやればできるんだが、と言い訳がましいことを言うような卑怯な男にはなってほしくない。”
僕がガード下のホームレスにならないで済んだのは、やはりお袋のおかげである。
こう、今頃改めて両親に感謝するのはお彼岸のせいだろうか。
by n_shioya | 2017-09-24 22:30 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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