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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
ジェローム・ロビンス
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いささかでもミュージカルに関心のある方なら、ジェローム・ロビンスの名前を知らない人はいないだろう。
「屋根の上のバイオリン引き」、「王様と私」、「ウェストサイド・ストーリー」など、数々のブロードウェイのヒット作を生み出した振付師である。
その伝記「Dance With Demons」を読んでいるが実に面白い。
これまではただ天才的なコレオグラファーとしか認識がなかったが、実は三重苦を背負っていたことがわかった。
人は誰でも何らかの“十字架”を背負って生きていくものだが、
ジェローム・ロビンスは
まずユダヤ人であった。
そしてゲイであった。
しかもマカーシー旋風(赤狩り)が吹き荒れたとき、仲間を裏切り、そのことで死ぬまで自分を責め続けたという。
二番目と三番目が実は密接な関係があるというのも、運命の残酷さを感じさせるが、ユダヤ人であることがこれほど過酷な幼児体験を強いられるとは、想像もつかなかった。
我々日本人にはユダヤ人だろうが白人の一人に過ぎない。むしろ日本人に好意的なグループの感さえある。
だが、欧米では忌み嫌われる存在で、子供たちは他の白人から格好のいじめの対象になった。
留学当初は不思議でならず、なぜユダヤ人が?と聞いたことがある。
そのうち判るよ、といわれたが、なるほど8年もいるとなんとなく差別の理由がわかるようになった。
そもそもは宗教的な理由から始まっている。そして商習慣。
だが、僕でも感じがつかめてきたのは、被害者意識が原因かもしれないが、自分が正しいと認められるまで執拗に迫ってくるねちっこさ。
これには辟易させられることがしばしばあった。
あるときユダヤ人のレジデントとドイツ系の教授の間で議論が始まった。
些細なことだったが、お互いに譲らない。だが、ユダヤ人は膨大な文献や自分の経験を延々と述べ続け、遂に教授を言い負かした。
すると教授は言い返した。“So what?”それがどうした?というご挨拶である。
このねちっこさがいまでもユダヤ人の疎んぜられる理由かもしれない。
by n_shioya | 2016-05-04 17:59 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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