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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
ひと頃までは医学部の臨床教授選考は「屑屋の仕事」と揶揄されていた。
それには深—いわけがある。 まず選考するのは教授会だが、通常、退任教授は選考に加わらない。と言う事は専門外の教授が評価するわけである。 又、臨床教授の資質は「研究業績」、「臨床の腕前」、「教育者としての能力」となるが、まず「教育」に関しては客観評価が難しいので、建前に留めてバイパスされる。 本来なら「臨床の腕前」が最重要な筈だが、これも数値化しにくいのでバイパス。もっとも最近では経営不振の大学病院の統廃合も現実化してきたので、臨床の主任教授の「集客能力」が重要視はされるようになったが。 となると、「客観評価」、端的には「数値化」が容易なのは「研究業績」である。 しかも教授会の半数近くは基礎分野の方である。彼等にとっては研究業績が全てだ。しかも選考対象の教授の分野はド素人である。従って論文の内容ではなく、量が問題とされる。 これが臨床教授選が「屑屋の仕事」と言われてきた所以であるが、屑屋さんに失礼な気がしないでもない。 そこで最近は掲載誌の質が問われるようになった。これはインパクト・ファクター、通称IFという数値が目安になる。つまり数値化が可能と言う事は、「屑屋の仕事」が「コンピューター」に置き換わったに過ぎない。 だがIFは、それぞれの学会誌の掲載論文の引用度数で決まるので、ネイチャーなど基礎分野の雑誌が有利で、臨床の専門雑誌は値が低いので不利になる。 基礎研究を軽視するわけではないが、以上の説明で臨床の腕を磨くより、ラットを相手にしていた方が、「白い巨塔」で生き延びる為には遥かに有利だと言う現状がお解りになったでしょうか?
by n_shioya
| 2015-01-15 22:38
| コーヒーブレーク
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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