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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
NHKで、家庭の事情で「義務教育」を受けられなかった方々の事を取り上げていた。
その中の女性の一人は80歳過ぎてから、夜間学校で初めて読み書きを覚えられたという。なかなかの達筆で、僕の字よりはるかに読みやすいのは驚きだった。 こういうお気の毒な事例は別として、番組を見ながらいまだに僕は、「学校教育」に多大な不信を抱いていることに気が付いた。 ![]() 敗戦を機に、軍国主義一辺倒だった教師たちの、民主主義への鮮やかな変身ぶり。 又、中学から高校、大学にかけては、学制変化のために毎年の入試と折角入学しても、そのカリキュラムのお粗末さ。 だが、何よりも僕は授業という形態は、教える方の都合で教わる方の立場は二の次になっていると思う。 人間の頭は、一時間ごとに語学から数学へ、また体育から理科へと器用に切り替わるようにはできていない。それよりも一つのことに集中して、飽きるまで続けることが許されず、一時間ごとに脳の働きが寸断されることが、「創造力」を破壊するのでは、と慄然としている。 勿論、本人に合わせたテイラーメイドの教育、つまりすべてを家庭教師にというのは、昔の王侯貴族にしか許されぬ贅沢であることは重々承知している。 だが、少なくも僕は、この教育制度の犠牲者だと信じ、自分の「独創性」の無さの弁解にしている。 この年になってやっと、カリキュラムの制約なしに、又、目的達成のプレッシャーを感ぜず、その時々興味の赴くまま、一つの主題を追いかけることが許される “考える幸せ”を味わっている。 勿論記銘力と体力の衰えは如何ともしがたいので、今少し早くこれに気がついて、自由な発想の展開をしておけばと悔まないわけではないが。 定年まで、学校教育の後遺症を引きずっていた自分の咎かもしれない。 世の親御さんたち、子供に“勉強せい!”と点数を稼がせる前に、“学校教育から如何に子供の創造性を守るか”と言うこともチョッとは考えて欲しい。
by n_shioya
| 2014-08-24 22:44
| コーヒーブレーク
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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