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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
最近の若者“希望”を失っているという。
調査によれば、どういう調査かは別として、三人に一人は未来に“希望”が持てないと答えたという。 就職超氷河期、原発・再軍備推進内閣などなど暗い深刻な世相では無理もない。 書店の本棚には、“希望”に関するコーナーも設けられている。 このような社会現象に対し、東大では専門家集団が中心に「希望学」という学問分野を立ち上げたという。 “希望”といったような主観的な感じの問題が学問対象になりうるかという議論もあるようだが、この研究は全国的な広がりを見せているようだ。 今の閉塞した日本の現状をどうとらえるかは、人によってさまざまだろうが、ひねくれ者の僕は、ヴィジョンもない権力志向のみの卒業生集団を送り出し、このような社会を作り出した元凶ともいわれる東大が、“希望”の旗振りを始めたことに、違和感を感じないでもない。 “希望”の定義や条件はゆっくり検討することとして、“希望”と聞いて僕が反射的に想起したのは、敗戦直後の気持ちである。 若いということもあったかもしれない。また、天皇制の恐怖政治から解放されたということも大きかった。何よりも日本軍に殺される運命から、救われたということもある。 しかも現実の社会は厳しかった。食料は戦時中よりも払底し、悪性インフレが跋扈し始めていた。 無い無いづくしの日本だった。 だが、“希望”だけは国中にあふれていたように思う。 今がどん底だ。この先どんな変化が来ようと、現状よりは一歩前進になるだろうという、奇妙な安心感ともいえるものもあったかもしれない。 今の若者は物質的には満ち溢れた生活に慣れ染んでしまった。飢餓を経験したことのないものに、ハングリー精神を持てと言っても始まらないだろう。 だが、あふれる無駄の中に“希望”は押しつぶされてしまったのかもしれぬ。 ![]() “希望”とはよりよい未来への期待である。 このあたりで落ちるところまで落ちて、丁度パンドラの蓋が開かれた時のように、あらゆる災難が出尽くしたところで、空になった箱の隅っこに初めて“希望”を我々は見つけることができるのかもしれない。
by n_shioya
| 2014-02-21 20:51
| コーヒーブレーク
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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