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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
愚かな人間の「三つの願い」
デトックス(解毒)の為の点滴療法を受けながら、僕はペローの民話「三つの願い」を想いだしていた。
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“ある貧しい夫婦が神様からなんでも好きなこと、三つだけ願いをかなえてやろうといわれる。
夫はまず、ソーセージを山ほどとお願いした。
これが第一の願い。
そのソーセージの分配で夫婦は喧嘩になり、夫がお前の鼻にソーセージがくっつけ、とさけぶ。
とたんにソーセージは飛んでいって妻の鼻にくっつきもう取れない。
これでもう第二の願いを使ってしまう。
困った二人は、どうかソーセージを取ってくださいと願う。
ソーセージはとたんに離れるが、これで夫婦はせっかくの三つの願いを使い果たしてしまう。”
といった話だったと思う。

よく僕は人の一生はこんなものだと思うことがある。
一生懸命自分達で傷つけあって、やっと何とか修復できても元に戻っただけ。
愛し合おうとする我々の努力なんて、神様の目から見たら所詮このソーセージの脱着に過ぎないのではなかろうか。

また僕たちは、もっと、もっとと金をかけて飽食する。
その結果体内に「有毒物質」が溜まってしまう。
こうなるとやはりこれは取り除かないわけにはいかないと、またせっせと金を使って「デトックス」する。

考えてみると人類の歴史も、「戦争」と「修復」という愚行の連続だった。
そして20世紀、我々は遂にプロメトイスの火、核エネルギーを手にする。
だがその結果、原爆そして原発という「ソーセージ」が人類にとっついてしまった。
この「ソーセージ」をなんとかならず者国家の手から奪い取ってください、というのが今我々の三つ目の切実な願いとなっている。
by n_shioya | 2014-02-20 20:54 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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