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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
“私、一人で京都に行こうかしら、ちょっと日帰りで”
カード会社の月刊誌を眺めて、突然配偶者が言った。 “いいよ、でもなぜ一人で?” “貴方は忙しすぎるでしょ” 確かにこのところ、引退にはふさわしからぬライフスタイルを送っている。 でも、京都の日帰りぐらい都合つかぬことはない。 忙しすぎるというのは、僕が一緒だと大げさになりすぎるということではなかろうか? 宿は俵屋は無理でも、ブライトンぐらいとか、新幹線もグリーンを予約してとか・・・ 鈍行に飛び乗って、泊まりも行き当たりばったりのさりげない宿というのが、彼女の旅の好みだということはわかる。できれば僕もそうしたい。 だが近年は学会の出張が多く、経費は多少の余裕があるが、時間はきついため、つい堕落した旅行のスタイルになってしまった。 ちょうど今、加藤周一の「続羊の歌」の次のようなくだりを読んで共感を覚えたところだった。 「私はフランスで中世美術を発見したーーーというよりも中世美術を通じて、美術そのものの私にとっての意味を発見した。造形的な世界が、私の住む世界の全体にとって欠くことのできない一部分となったのは、その時からである。 (中略) 私の西洋見物には、幸いに金がなかったことも理由の一つに違いない。もし私に金があったら、多くの旅行者と同じように、私も、金で買うことのできるものに、興味を持っていたかも知れない。名高い宿屋、上等の料理、商売の女たち、土産物、画廊の油絵…しかし雨露をしのぎ、かろうじて餓えぬだけの金しかなかったので、本来無料の対象に、興味を持つほかはなかった云々。」 でも、なにも加藤周一まで引っ張り出して、深読みすることはないのかもしれない。 単純に、時には“濡れ落ち葉”を振り払って、一人で自由に旅したいというだけのことかもしれないから。
by n_shioya
| 2014-02-07 21:43
| コーヒーブレーク
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Comments(4)
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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