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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
「奨学金」と聞くと僕は50年前を思い出す。
留学終わりに近づいたころ、長男が幼稚園入学の年齢に達した。 われわれの居たオルバニーは小さな町だったが、ニューヨークの首都でもあり、オルバニー・アカデミーの付属幼稚園は最高とされていた。 当然ながら医者の子弟は皆そこに通っていた。 だが、授業料はべらぼうである。貧乏なフルブライト留学生の年収をはるかに上回る。 配偶者は言った。“試してみましょうよ、貴方。授業料を免除してもらえないかって。” 校長はミス・カーマスという年配の女性だった。いまでも名前を覚えている。 我々は必死にアピールした。 “われわれは来年は日本に戻らなければならない。もちろん金はない。だが、一年でも、息子にアメリカで最高の教育を受けさせたい。” “幼稚園児に「奨学金」?聞いたことありせんね。でも委員会を開いて皆の意見を聴きましょう。” 委員会でどんな議論があったのかはわからないが、やがてミス・カーマスから電話があった。 “「奨学金」が認められましたよ。” そして息子は一年間、オルバニー・アカデミーでアメリカのジェントルマン教育を受けることができた。 「奨学金」も有難かったが、この「ダメでもまずトライしてみよう」、と思えるお国柄が嬉しかった。 日本だったら、そのような考えが浮かぶ前に、自分で押し殺してしまうからである。 この“発想の自由”こそアメリカで得た宝の一つである。
by n_shioya
| 2014-02-06 19:48
| コーヒーブレーク
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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