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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
医師の過労死が社会問題となりつつある。
日米では卒後教育や医療制度そのものがあまりにも違いが大きく、単純な比較は無理でもありあまり意味もないが、50年前にアメリカで外科修業をした身としては、一、二感ずるところがある。 当時はまだインターン制度があった。その一年で一通りの臨床研修を受け、そのまま家庭医として開業できるだけのうではつけてくれる。 その代わりめっぽう忙しかった。 一晩おきの当直。その間の日も夜までかかって昼間の仕事の残りをこなす。 当時アメリカに残された唯一の奴隷制度とまで言われた。 そのあとも、科によって違うが、3年から5年ほどのレジデントとしての専門医の修業がある。 これも中身と責任の違いはあれ、忙しさには変わりなかった。 だが、文句は言うものの、だれもそれが当たり前と思い、身を粉にして働いた。 日本の一般の医局員の3倍から5倍の忙しさだったと思う。 其れでも皆それに耐えたのはいくつかの理由がある。 まず、研修内容が充実していたからだ。インターン・レジデントを便宜上研修医と呼ぶことにするが、その数は外部の監査機関により、厳しく制限されていた。研修は少数精鋭でなければ実は上がらない。日本のような数は力なりという、無制限の入局は考えられなかった。 今一つ、もっと大事なのは、研修医は一定期間の身分であって、そのあと専門医になると、一人前の専門医として、地位も収入にも格段の差が生ずる。 つまり、先が見えているから我慢もできようというものだ。 翻ってわが国の場合、研修カリキュラムの外部機関のチェックもなく、研修医はチープレーバーにすぎないか、邪魔者扱いになってしまう。 しかも、その先の待遇も、大して希望が持てないとしたら、生身の人間としてはやる気を失うのも当然だろう。 結論からいえば、何よりも医師にやりがいを感じさせる環境を作ることが先決といえる。
by n_shioya
| 2013-11-19 21:35
| 医療全般
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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