|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
“なあ、ノビ、コーヒーでもおごろうか。”
アーロンに誘われるまま、僕は病院のコーヒーショップのカウンターに腰をかけた。 一週間前にフルブライト留学生としてアメリカに到着し、前日からオルバニー大学病院でのインターンが始まったばかりの時のことである。 留学生だろうがなんだろうが、アメリカ人と同じように勤務に就かされ、前の晩は徹夜の当直でふらふらだった。 先行きは不安でいっぱいである。 アーロンはチーフレジデントで僕の教育係を買って出てくれた。ノブユキでは長すぎるといって、ノビという呼び名まで早速つけてくれた。 “これは何だかわかるかい?”と彼はコーヒーを啜りながら聞いてくる。 何だったか忘れたが、医学部の一年生でも知っているような簡単な事柄だった。 “それは、こうこう・・・”と怪訝そうに答えると、 “すごいぞ、ノビ。この大学に百人ほどインターが入ったが、これにすぐ答えられるのはお前ぐらいだ。自信を持っていいぞ。” 極東から来た哀れな留学生を懸命に励ましてくれていることはよくわかった。とてもありがたかった。 人を褒めることの大事さを身にしみて感じた。 だが、その後、僕自身は人を褒めることを忘れていたようである、自分では気がつかなかったが。 こっちが評価していることぐらい分かっているだろう、と思いがちだったのかもしれない。 だが、まずい時は注意はしなければならない。 結局は知らないうちに、小言は言うが褒めることを忘れてしまうようになったのだろう。 それを知ったのはつい最近。 何かの席でかつての弟子が昔のエピソードを披露しながら、当然のことのように“・・・その時初めてボスに褒められました。ボスが褒めてくれたのはその時だけですが・・・” と言われ、愕然とした。 その男はレジデント時代、僕が一番買っていた奴だったからである。 人を褒めることは大切である。だが、凡人はつい怠りがちだ。心すべきである。
by n_shioya
| 2013-09-24 21:18
| 医療全般
|
Comments(1)
Commented
by
匿名希望
at 2013-09-24 23:08
x
はじめまして。僕は沖縄県に住む22才の男性です。ブログの内容とは関係ありませんがすいません。 宇津木先生の「肌の悩みがすべて消えるたった1つの方法」を読みました!ですが僕の顔の皮脂は濃度が濃く、ぬるま湯でながしてもギトギトです。顔も手も水が弾きます。もうわけがわかりません。正直助けてほしくてここのコメントらんに書きこみました。どうか話しだけでも聞いてくないでしょうか?お願いします。
0
|
塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 アンチエイジング スキンケア 医療崩壊 キズのケア QOL 老年病 介護 手術 全身療法 食生活 サプリメント エクササイズ エステティック ヘアケア 美について コーヒーブレーク 医療全般 原発事故 睡眠 美容外科 再生医療 再生医療 未分類 最新のコメント
フォロー中のブログ
ICELANDia アイ... 九十代万歳! (旧 八... ・・・いいんじゃない? 京都発、ヘッドハンターの日記 美容外科医のモノローグ ArtArtArt 芙蓉のひとりごと 真を求めて 皆様とともに... ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
|
ファン申請 |
||