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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
美女の臨死体験
美女軍団のメンバーの怖いところは、何食わぬ顔で時折物騒な質問を投げかけて、こちらの虚を突くことである。
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先日もその一人とシャンパンで「お茶」してると、
“先生は「生と死の問題」をどう考えられます?”
と突然、迫ってきた。
数日前、母親が心筋梗塞で危うく一命を取り留めたのと同時進行で、親友の一人の出産のおめでたを祝い、改めて人の一生とはなんだろうと考えてしまったという。

医師というものは日常生死に関っているにもかかわらず、日ごろはその対処に追われ、意外に確たる死生観を持ってないことが多い。
かくいう僕もその一人で、そろそろお迎えもいつ来るか分からぬし、まじめにこのことを思索せにゃと感じていたところである。
だが僕は親父の影響もあり、子供の頃から「死後の世界」の存在を自明の理と考えてきたので、こちらにいる間はこちらの生活に専念し、あちらに行ったら又その時はその時、と単細胞的に過ごしてきたのが本音であると彼女に告げた。

むしろ霊の世界を信じない、つまり人魚姫ではないが死ねばすべてが消滅、と考えている人には、現世の生活がどういう意味を持つのか知りたくもある。
また、もしこの世に生を受けている時だけしか存在しないなら、己の存在意義はいかにも空しいものと感じられないだろうか?とも。

シャンペングラスをテーブルに置いて彼女は答えた。
“どちらかといえば私は無神論者でしょ。霊界の有無は知りようがないですよね、向こうを一寸のぞきに行くことも出来ないし。
でも私、臨死体験はしたことがあるのよ。”

今度はこちらが驚かされた。
昔大病で危篤状態になり意識が朦朧となると、急に世界が明るく芳しくなって、広い野原のようなところに自分がいて、そばを小川が流れていたという。その向こうに絵にあるような天女が羽衣を広げて手招きをしている。
その瞬間、はっと目が覚めて床に寝かされている自分に気がついたという。
その時に病気の峠を越した、と医師に告げられたことは、よく耳にする臨死体験と全く同じだったという。

“あの川を渡っていれば、今ここに私はいなかったでしょうね。でも、とても気持ちのいい世界だった。あのまま居てもよかったくらい。”
“それじゃ、僕が困っちゃう。”
と言い返したが、彼女の懐かしそうなまなざしを見て、僕もその臨死体験やらをちょっぴり味わってみたくなった。
だが、この年でそこまで行ったら、おそらく体験だけではすまないでしょうね。
by n_shioya | 2013-08-06 19:22 | コーヒーブレーク | Comments(0)


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