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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
パントマイム
マルセル・マルソーが死去して早や7年。
フランスの生んだ世界的なパントマイム俳優である。
顔を白く塗った悲しげな表情のピエロ「ビップ」というキャラクターをつくり上げ,一躍世界に知られるようになった。
パントマイム_b0084241_2093686.jpg

留学時代、彼の存在を教えてくれたのは、同じインターン仲間のカークで、一緒にニューヨークまで観に行ったものである。

カークはニュー・ジャージー出身のアメリカ人だが、ヨーロッパに渡りローザンヌの医学部を出て、すっかりフランス・ファンになってしまった奴で、僕は彼からフランス流の生活の楽しみ方を折に触れて仕込まれた。
例えば当時アメリカでは、まともなコーヒーはグリニッチヴィレジでしかお目にかかれず、ゴトゴト煮かえして香りの飛んでしまった、薄くてまずいいいわゆるアメリカンという奴をがぶ飲みする慣わしの中で、彼の家では儀式のようにイタリア製のエスプレソメーカーで、コクのある一杯を飲ませてくれた。

そもそも僕がパントマイムに魅せられるようになったたのは、往年の名画「天井桟敷の人々」のお陰である。
ジャン・ルイ・バローが扮するパントマイム役者バチスト。女芸人ガロンスを演ずるアルレッティ。
配するにマリア・カザレス、ピエール・ブラッスール等、名優ぞろいの傑作で、好きな映画をただ一つだけといわれれば、今でも僕は躊躇なく「天井桟敷の人々」を挙げることにしている。
これがナチの占領下で作られたというのは、レジスタンス運動以上にフランス人の心意気を感じさせるものがあるではないか。

そのジャン・ルイ・バローももうだいぶ以前にこの世を去った。
盟友カークもつい最近亡くなったと、カークの長男といまだに交際のあるニューヨークの息子が知らせてくれた。
"もう僕の人生の幕が何時下りてもおかしくない"、と言ってみたいところだが、"あんたそれ本気?"と切り返されそうなので遠慮しておく。
by n_shioya | 2013-08-05 20:09 | 美について | Comments(0)


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