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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
マルセル・マルソーが死去して早や7年。
フランスの生んだ世界的なパントマイム俳優である。 顔を白く塗った悲しげな表情のピエロ「ビップ」というキャラクターをつくり上げ,一躍世界に知られるようになった。 留学時代、彼の存在を教えてくれたのは、同じインターン仲間のカークで、一緒にニューヨークまで観に行ったものである。 カークはニュー・ジャージー出身のアメリカ人だが、ヨーロッパに渡りローザンヌの医学部を出て、すっかりフランス・ファンになってしまった奴で、僕は彼からフランス流の生活の楽しみ方を折に触れて仕込まれた。 例えば当時アメリカでは、まともなコーヒーはグリニッチヴィレジでしかお目にかかれず、ゴトゴト煮かえして香りの飛んでしまった、薄くてまずいいいわゆるアメリカンという奴をがぶ飲みする慣わしの中で、彼の家では儀式のようにイタリア製のエスプレソメーカーで、コクのある一杯を飲ませてくれた。 そもそも僕がパントマイムに魅せられるようになったたのは、往年の名画「天井桟敷の人々」のお陰である。 ジャン・ルイ・バローが扮するパントマイム役者バチスト。女芸人ガロンスを演ずるアルレッティ。 配するにマリア・カザレス、ピエール・ブラッスール等、名優ぞろいの傑作で、好きな映画をただ一つだけといわれれば、今でも僕は躊躇なく「天井桟敷の人々」を挙げることにしている。 これがナチの占領下で作られたというのは、レジスタンス運動以上にフランス人の心意気を感じさせるものがあるではないか。 そのジャン・ルイ・バローももうだいぶ以前にこの世を去った。 盟友カークもつい最近亡くなったと、カークの長男といまだに交際のあるニューヨークの息子が知らせてくれた。 "もう僕の人生の幕が何時下りてもおかしくない"、と言ってみたいところだが、"あんたそれ本気?"と切り返されそうなので遠慮しておく。
by n_shioya
| 2013-08-05 20:09
| 美について
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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