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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
以前のベルリン滞在中、半日市内観光に頼んだタクシードライバーはなかなか良いガイドで、ただの名所めぐりだけでなく、歴史や文化に詳しく勉強になった。
三度目のベルリンだったが、東の復興は目覚しい。再建の槌音と共に、政治経済の中心すでに西から移っている。 昼飯時になったので、どこか最も庶民的なドイツ料理を、と所望して案内されたのが、「レッツテン・インスタンツ」というビアホール兼レストランだった。 まず、黒ビールで乾杯する。次に出てきたのは巨大なロールキャベツ。そしてお決まりのジャガイモ。 ドライバー氏の説明では、「レッツテン・インスタンツ、最後のチャンス」という名前の由来はこうだ。 隣にあるのが裁判所。そこで判決を受けた衆人が、刑務所へ移送される前に口にできる最後の娑婆の飯という意味だそうな。 なるほど、だから肉も巨大な塊なのか。 “最後のチャンス”の後はユダヤ人街、元のいわゆるゲットーへ案内された。すっかりモダンになった集合住宅街で、中にはブティック、レストラン、芝居小屋まである楽しげな一角だ。 だが、その住宅街の出口で、ドライバー氏が足元の敷石を指差した。10センチ四方の銅版が何枚もはめ込まれ、一枚一枚に名前が刻み込まれている。 大戦末期ここに住んでいて、アウスシュビッツに消えた子供たちだという。 犯した過ちを絶対風化させないこの強固な意志。 「歴史に目を閉ざすものは、ふたたび過ちをくり返す」というあのワイゼッカー大統領の格調高い演説が鳴り響いてくるようであった。 そして“自虐的史観”と叫んで過去を風化させようと躍起になっているわが国の政治家と思い比べたのであった。
by n_shioya
| 2013-08-02 20:47
| コーヒーブレーク
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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