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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
アンチエイジングに関わっていると、何を見ても「不老不死」の是非にに頭が行ってしまう。
例えばこの白菜。 輪切りにして台所にほっておいたら、切り口から4つ5つ芽が出て花が咲きそうになっている。 一瞬頭をよぎったのは、三島由紀夫である。 これには説明が必要だろう。 不死が可能になった場合、それが選択肢の一つか宿命かで話は大分違ってくるが、逃れられぬものとなった場合、いろいろな不都合が生ずる。 例えば女性は永遠に子供を生み続け、嫁、姑の確執は未来永劫鼠算的に増殖していく。 又、殺人も不可能になれば、反面死刑の執行も成り立たず、刑務所は終身刑の犯罪者で溢れてしまう。 自害も不可能になれば、腹を掻っ切って固体が真っ二つになったとき、どちらが再生して生き延びるのか、いずれかの断面で細胞が脱分化して、つまり今流行の胎生幹細胞の固まりになって失われた半分を再生するだろう。 そしてプラナリアのように両方が再生して二つの固体ができるかも知れぬ。その場合は切断前の固体は死亡して、新たに二つの命が生まれたと考えるのか。 動物と違い人間には“意識”、個性と言っても良いが、がある。同一の“意識”が二つ存在するとはどういうことか。 お分かりでしょう。僕は半切された白菜の断面を見て、割腹した三島の下半身から、にょきにょきと4つも5つもの三島と其の自意識が生えてくる有様を想像してしまったのである。そしてそれぞれに同一の、“意識”の存在を考えたとき、クローン人間以上に不可解な問題をはらむ。 こうして「不老不死」を考え始めると、どうも頭がおかしくなりそうだ。 そしてその対極にあるあの西行の辞世が無性にいとおしくなる。 “ねがわくば花の下にて春死なん、その如月のもちづきのころ。”
by n_shioya
| 2013-07-22 20:49
| アンチエイジング
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Comments(1)
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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