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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
貴船の川床料理
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山あいの渓流に床几をしつらえ、緑の天蓋のもと川魚料理を賞味するのが貴船の川床料理である。
前から憧れていたが、創傷外科学会で京都に来たついでに、猛暑の街を逃れてやってきた。
まことに別天地である。
貴船の川床料理_b0084241_1810977.jpg

「鮎の塩焼き」が運ばれて来た。
ああ,これだ,と僕は敗戦の時を思い出した。
連日の空爆で東京は焼け野原と化していた。
食料不足などいう生易しいものではなかった.飢餓地獄だった。餓死しなくても,早晩死ぬか殺される運命だった。
その中でなぜか僕は「鮎の塩焼き」をいつも夢見続けていた。
それは「死の世界」から憧れ観る「生の世界」の世界の象徴でもあった。

その後幸い「生の世界」にとどまることを許され、幾度か「鮎の塩焼き」も口にしたはずだが、何故かかつての憧れを想起することはなかった。
だが今口にするこの川床の鮎こそ,あの時描いた「鮎の塩焼き」だった。
祇園精舎の鐘の音が何処からともなく響いてくる古都の演出の一つかもしれない。
京都の寺を訪れる時、人は戦乱の中に造られた「小天地」、いわば「虚構の世界」を楽しむ。
「川床」も炎熱の古都に生まれた「虚構の世界」かもしれない。
だが,その「虚構の世界」に遊ぶ数時間は,文字通り至福の時であった。
by n_shioya | 2013-07-13 18:10 | 食生活 | Comments(2)
Commented at 2013-07-14 09:16 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by n_shioya at 2013-07-16 23:17
ハドソンさん:鴨川も趣きがありますよね。


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