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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
入院生活中お世話になったボーズを眺めながら、僕はオーディオについて思いをめぐらしている。
![]() CDの前には50年ほど、LPの時代があった。 が、我々昭和一桁は、いわゆる78回転のSP版で西洋音楽の洗礼を受けた。 針音がガーガーと邪魔するだけでなく、一面せいぜい4,5分。 絶えず裏返したり、次のと入れかえたり、交響曲など10枚近く、黒くて重い、しかも割れやすいシェラック板と格闘しなければならなかった。 だが、その頃の方がかえって「理想の音楽」を楽しめたのではないかと思う。 ちょうど、腕が欠けたビーナス像に、実現できない「理想の腕」を与えて満足感を得ていたように。 録音がデジタル化され、目隠しされれば生の音か、再生音か区別付かないところまでテクノロジーが発達したいま(実際にスクリンーの裏側に生のオケとステレオ装置を隠し、どこで切り替わったか当てさせる試みもあった)、どうオーディオと付き合うか、三つのタイプに分類できるだろう。 まずははじめから生の音ではないと割り切り、そこそこのセットで満足するタイプ。 「音楽が楽しめればよい」ということで、大方はこのタイプで、僕の配偶者などもそうだ。 次は忠実な再生を追い求め、ついにはスピーカーに合わせて家を建てなおした「五味康祐タイプ」。 だが誰もがそれだけの印税が入るわけでもないし、いつも理想は手の届かぬところに逃げていく。 五味康祐にしても、あれだけ金をつぎ込み努力を重ねても、死ぬまで心の安住は得られなかったと思う。 第三のタイプは忠実な再生は不可能と悟り、むしろ自分で「好みの音作り」を心がける。 音楽の好きな技術屋さんに多いようだ。 彼等は工学の素養や技術力もあって、アンプなどは自分で工作し、裸のスピーカーを買って、ボックスなども自分で作ってしまう。 こうしてあまり器械には金をつぎ込まず、「自分の音の世界」を楽しんでいる幸せな人種である。 ただ、スピーカーの位置とか、配線とか、そう、それから座る場所にはうるさい。最適な場所は一箇所しかないようである。 何人かそういう人種も知っているが、確かにその指定席に座り、しかるべきディスクに耳を傾ければ、陶酔するような音色が響いてくることもある。 そう、そのほかに、なんでも中途半端でロクに音楽も器械もわからぬくせに、ブログの上で「ハッタリをかます」、僕のような人種も居ることも付け加えておこう。
by n_shioya
| 2013-04-17 20:49
| コーヒーブレーク
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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