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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
毛の悩みは深刻である。
まず、言葉で詰まってしまう。「禿」は差別用語になっているからだ。 何時だったかNHKの健康番組で、「禿の特集」に駆り出されたことがある。 その事前打ち合わせのとき、ディレクターから “先生、「禿」は禁句ですから。” と釘をさされた。 “それじゃなんと言えば?” “若くて毛の薄さに悩む方とか・・・” “しかしそのほうが返って失礼じゃない・・・” などやり取りのあったあとで、 “でも先生がうっかり口を滑らしてハゲとおっしゃっても、生放送ですからお止めは出来ませんけどね、”とディレクターがニャッとした。 なるほどこれがNHK流の解決法かと感心した。 もっと深刻なのは、本当にハゲの解決法はあるのかということであろう。 昔こういう冗談があった。 「禿の根本的な解決法は二つある。 まず第一は、はげてない親を持つこと 二番目は去勢すること。」 どちらも不可能とお思いでしょう、つまり根本的な解決はないということのジョークである。 ただ僕が副理事長を務める毛髪研究グループFMLの努力の甲斐もあって、やっと突破口が見え始めたようだ。 まず第一の遺伝の問題だが、理事のお一人、北里大学名誉教授の川上先生のご努力で、ハゲに関る遺伝子が見つかったようである。まだ、すぐに治療まではつながらないが、すべてが遺伝子操作の時代だ。いずれは究極の解決になるのではないだろうか。 第二の問題は若ハゲの原因としての男性ホルモンの役割である。 一般に思われているように、ハゲの人は男性ホルモン過剰ということではない。 血液検査をすれば、ホルモンレベルは正常人と同じである。 ただある部位の、特に前頭部とか頭頂部の毛根が男性ホルモンにネガティブに反応しやすいのが問題なのだ。 前立腺がんの治療で睾丸を取って、つまり去勢すると、多少ではあるが毛が生えてくるのは事実である。 ならば前立腺肥大に使われる「男性ホルモン抑制薬」を試したら、というのは当然の発想で、それが最近話題になっているプロペシアという薬剤である。 そのほか皆さんご承知のリアップ、これは学名はミノキシジルというが、元来は血圧の薬である。それが副作用として毛深くなるということで、発毛用の塗り薬として開発されたものだ。 このほか、サプリメント、ヘア・ケアさらには植毛術など、そしていずれはは再生医療も夢ではないなど、毛の未来は明るい。 わがFMLクリニック・グループは毛に関る悩みと総合的に取り組んでいるわが国唯一とは言わないが、最も評価の高いクリニック・グループとだけ自画自賛して、それ以上の事はクリニックのホームページにお任せすることにしよう。
by n_shioya
| 2013-04-05 20:16
| ヘアケア
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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