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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
「病気は何故あるのだろうか?」 考えたことはありますか?
そりゃ,「黴菌」のせいだ. というかもしれない. そう, たしかにビールスや黴菌で起こる病気もある. 医学の世界ではそれを感染症とよんでいる. だがそれだけではない. なに, 「染色体異常」? 良く知っているね. いわゆる先天異常というのがそうだ. 遺伝子にちょっと変異があって起こる病気だ。 そして火傷や怪我などの外傷。 ほかにも「公害」で起こるもの,また、「メタボリックシンドローム」や 「老人性の変化」と言えるもの. 例えば高血圧,脳障害、糖尿病などそうだ. 確かに殆どの病気は今やなんらかの「原因」と考えられるものがつきとめられて来た. そして其に対しての対策, つまり「治療」方法も確立してきた. それが医学の進歩というものだ. やがては全ての病気の原因が明らかになり, それぞれに治療方法が見つかり, 人類は病気から解放される時が来る, と思うかもしれない.再生医療などの其の「新旗手」のようだ。 だが, 現実は決してそんなに甘くはない.ちょうど「モグラ叩き」のように、ひとつを解決すればまた新手が現れる。 抗生物質の耐性菌などいい例だ。 また、HIVのように、今までに無かった新種も出現する。そして再生医療も癌化と無縁ではなさそうだ。 そして僕の疑問はそれだけでは納まらない. 原因は分かったとしても、そもそも“何故この世の中に病気というものがあって, 人間はそれで苦しまなければならないのか?”という疑問なのだ. またこれは自分が病気で苦しんでいる時, 誰でも感ずる疑問ではなかろか. いままで幸いに健康に恵まれて, そんな疑問を抱いた事がない? でも身内の誰それが大病で苦しむのをみて,なぜこんなに苦しめられるのだらうとおもったことはあるのではないだろうか, 自分で一度も病気をしなくても, 医者はたえずこの疑問とも闘っているものだ. 更に言えば, 黴菌を殺す, 癌を退治するだけでは解決にならない、もっと根深い「不幸の種」を人類は抱えていて、その総量はあまり減らすことが出来ないと言う絶望感に襲われる。 病気ひとつとっても「モグラ叩き」の感があるといったが、たとえ医学の進歩で病気の分野での「不幸」がいくらか減っても、他の「不幸」が、たとえば今も続く「人類の殺し合い」、がその分を補ってくれる。 「人間の不幸」を版画のシリーズにしたルオーのミセレーレや、ゴヤの残酷な風刺画をわれわれが気楽に見過ごせないのもこういう自覚なのかもしれない。 “ならばどうすればいいか?”、皆さんもお考えください。
by n_shioya
| 2013-04-01 20:51
| 医療全般
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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