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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
「男にも更年期障害はあるか?」と聞かれれば、そういう設問をする以上あるのかな、でもそれは女の専売特許のはずだし、と怪訝に感ずる方がほとんどではなかろうか。
でも男女同権の時代だから、女性にあるものは男性だってあっていいはず。 そのうちテクノロジーが進歩すれば、男でも妊娠出産が可能になるかもしれない。 など、悪い冗談は別にして、かってはヒステリーは女にしかないとされていたのはご存知だろうか。 19世紀の終わりに、フロイドが男にもヒステリーがあると発表したときは、非常識だと非難ごうごうだったという。その理由は、ヒステリーの語源はギリシャ語のヒステラ、つまり子宮からきている。子宮を持たない男にヒステリーはありえないという、なんかこっけいな理屈がまかり通っていたのである。 さて、男にも立派に「更年期障害」があるし、その対策も進んでいるというのが、泌尿器学界のプリンス、順天堂大学兼帝京大学教授、堀江重郎先生の主張である。 先生のお話を要約すると、 「女性の場合は閉経期には急激に女性ホルモンの分泌が低下し、ほてりだのいろいろな身体症状が出るが、男性の場合は男性ホルモンは徐々に低下するが、女性のようにストンと落ちることないので、急激な体調の変化がなく、それと意識しないだけの話である。 疲れやすいとか、集中力がないとか、なんとなく働く意欲がないとか、いわば[欝状態]になる人が多い。 原因が分からぬまま、だんだんと落ち込んで重症の欝になり、これは更年期障害ですよ、男にも来るのですよと言われただけで、急に心理的に楽になって回復に向かう例もしばしば見られる」という。 ま、なるべくストレスを避けるとか、十分な睡眠をとるとか日常生活の改善のほか、漢方薬も有効だそうである。 勿論テストステロン・レベルがあまり低ければ、ホルモン補充療法も必要だそうだ。 唯注意しなければいけないのは「前立腺がん」で、昔は前立腺がんは日本人にはまれだったそうだが、今は食生活その他の変化で急増しているという。 前立腺がんの診断は比較的簡単なので、更年期障害にかかわらず、PSAなどの検査は、定期的に受けたほうが宜しい。 と、ここまで堀江説をご紹介したところで、僕が関係している「城西クリニック」でも、堀江先生のご指導のもと「男性更年期外来」を開設し、評判を呼んでいると宣伝をさせて頂く。
by n_shioya
| 2013-03-18 20:59
| アンチエイジング
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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