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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
出るべきものが、出るべきときに出なくなることが、如何に辛いかを思い知らされたのは、十年前のことである。
![]() ある夜、便意だけは充分あるのに、いくら力んでも、出るべきものがとば口まで来てるのに出てくれない。出るのは冷や汗だけだ。 苦しい一夜を過ごして、翌朝病院へ駆けつけ、とりあえず浣腸で助けてもらった。 その後、緩下剤やサプリも含め、いろいろな手段を講じても、さっぱりよくならない。 ついに内視鏡で、大腸の検査を受けることにした。 其のときの心境は、癌でもいい、原因がわかれば。そして、人工肛門になれば、もうこの苦しみはなくなるはず、とまで思いつめていた。 幸か不幸か、障害物は見つからなかった。 丁度其のとき、なにかの番組で知り合ったテレビ局のプロデューサーが、この道の専門家という方を紹介してくれた。 いきさつをお話しすると、即座に、 “これは典型的な、「痙攣性便秘」です。普通の便秘の治療では、悪循環でひどくするだけです。” といわれた。 つまりこういうことだ。 “大腸は右下腹部の盲腸から始まって、上行結腸、横行結腸、下行結腸そしてS字結腸へと時計回りに腹腔内でループをつくっている。 上行結腸では液状だったものが、其の行程で水分を吸収され、下行する頃は固形になっている。 したがって上行結腸で痙攣が起これば下痢になるし、下行ならば便秘となる。 だから大腸痙攣の場合、下痢も便秘もメカニズムは同じだ。そこで治療は痙攣を除く、つまり通常なら便秘を起こす薬を使うことになるので、さじ加減が難しい。 このことは医者でも知らない人が多い。” というお話だった。 この専門家の教授のさじ加減で、4種類の薬を服用して、何とか危機を脱することが出来た。 “この病気は習慣性があるので、治るには長くかかりますよ、”とのご託宣どおり、半年経ってほぼ治ったが、まだ、外国旅行などでバランスが崩れると再発するので、少量でのメンテナンスは今でも続けている。 困るのは薬のせいか、ガスが豊富に発生することだ。 僕は30年ほど前の痔の手術の際、再発防止のため括約筋にちょっと切れ目を入れてある。そのため局所の気密が保ちにくい。 もしどなたかの前で、時ならぬときに奇妙な音を発したら、勘弁していただきたい、決してこれは意図的でないので。
by n_shioya
| 2013-03-11 21:15
| 老年病
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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