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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
「幽霊の手術」
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「1938年。第二次大戦勃発直前のパリは、各国からの亡命者でごった返していた。
オーストリア医師ラヴィック(シャルル・ボワイエ)も、ナチを逃れて不法侵入した1人で、旅券のないまま“非合法手術”のアルバイトで口を糊していたが、ある夜偶然、かつてナチの収容所で彼に死にまさる拷問を与えたゲシュタポの手先ハーケ(チャールズ・ロートン)をみつけ、忘れ得ぬ怒りが再びこみ上げてきた。
その帰途ラヴィックはポン・ヌフで、男を失ったため自殺を図っている若いイタリア女ジョーン・マドゥ(イングリッド・バーグマン)を救った。彼女はラヴィックが忘れられず、それからも度々逢瀬を重ねるうち、次第に2人の仲は深まって、やがて断ち切りがたいものとなった・・・・・」
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往年の名画“凱旋門”の梗概からの引用である。
原作はレマルクで、戦後翻訳と同時にベストセラー、いや今で言うミリオン・セラーになった。
ここで出てくる“非合法手術”とは、フランスでの医師免許はないが腕は抜群のラヴィックが、闇で薮医者の手術の手助けをする違法行為を指している。

これは“無免許手術”というだけでなく、手術中に別人が表向きの術者と入れ替わって、執刀する、いわば“ゴースト・サージャリー(幽霊の手術)”と呼ぶべきものだが、ラヴィックの件は、戦時下の特殊事情、しかもフィクションであるのに対し、教育のために別の形で“ゴースト・サージャリー”という行為は現実に存在して、その是非はかってアメリカのレジデント制度の中で、論議されたことがあるが、日米の医療制度の違いもあり、またデリケートなイッシューなので、よく実情を分析し、論点が整理されたところで、書くことにする。

とりあえずは外科系の教室の主催者というものは、教室員を一人前の外科医に育てながら、同時に最高の手術結果も出していかなければならないという、ジレンマを抱えていると言うにとどめておこう。
by n_shioya | 2013-01-31 21:16 | 手術 | Comments(2)
Commented by HOPE at 2013-02-03 19:59 x
とんでもないジレンマですね
そこを上手くコントロールしていかなくてはいけないというのは、なかなか高度な命題ですねぇ
人の命がかかっていて、その一人一人が最高の医療に預かりたいと思っているはず…
どこでどう判断なさるのでしょう?
Commented by n_shioya at 2013-02-06 10:19
HOPEさん:何か合理的と言うか、両者が納得できる対処法を考えるべきかもしれません。


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