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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
オーストリア医師ラヴィック(シャルル・ボワイエ)も、ナチを逃れて不法侵入した1人で、旅券のないまま“非合法手術”のアルバイトで口を糊していたが、ある夜偶然、かつてナチの収容所で彼に死にまさる拷問を与えたゲシュタポの手先ハーケ(チャールズ・ロートン)をみつけ、忘れ得ぬ怒りが再びこみ上げてきた。 その帰途ラヴィックはポン・ヌフで、男を失ったため自殺を図っている若いイタリア女ジョーン・マドゥ(イングリッド・バーグマン)を救った。彼女はラヴィックが忘れられず、それからも度々逢瀬を重ねるうち、次第に2人の仲は深まって、やがて断ち切りがたいものとなった・・・・・」 往年の名画“凱旋門”の梗概からの引用である。 原作はレマルクで、戦後翻訳と同時にベストセラー、いや今で言うミリオン・セラーになった。 ここで出てくる“非合法手術”とは、フランスでの医師免許はないが腕は抜群のラヴィックが、闇で薮医者の手術の手助けをする違法行為を指している。 これは“無免許手術”というだけでなく、手術中に別人が表向きの術者と入れ替わって、執刀する、いわば“ゴースト・サージャリー(幽霊の手術)”と呼ぶべきものだが、ラヴィックの件は、戦時下の特殊事情、しかもフィクションであるのに対し、教育のために別の形で“ゴースト・サージャリー”という行為は現実に存在して、その是非はかってアメリカのレジデント制度の中で、論議されたことがあるが、日米の医療制度の違いもあり、またデリケートなイッシューなので、よく実情を分析し、論点が整理されたところで、書くことにする。 とりあえずは外科系の教室の主催者というものは、教室員を一人前の外科医に育てながら、同時に最高の手術結果も出していかなければならないという、ジレンマを抱えていると言うにとどめておこう。
by n_shioya
| 2013-01-31 21:16
| 手術
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Comments(2)
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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