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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
我が家は無医村
結婚生活では僕はしょっぱなから躓いてしまった。
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アメリカでインターンを終えた年の夏、僕達はニューヨークで結婚したが、数ヵ月後、配偶者がなんか体調を崩し、頭が痛いと訴えたのである。
そのとき僕は研究員で実験に追われていた。
頭が痛いなら精神科に行け、と友人の精神科医に送ってしまった。
我々は「専門馬鹿の集団」である。当然の事ながら精神科医は頭のことしか見ない。脳波を取ったり、腰椎穿刺で髄液をとったりしても異常が見つからないという。

“妊娠ですよ、奥さんは”と婦長は僕を呼び止めて言う。
“そんな馬鹿な”思わず僕は声を荒げた。
だが、検査の結果は彼女が正しかった。
結婚したら子供が出来ることを、僕はうかつにも忘れていたのである。
“どうして判ったの”と聞くと、ディルピックルス(酸っぱいピックルス)を欲しがったからだという。
妊娠すると嗜好が一時的に変わるということを始めて彼女から教わった。
それ以来配偶者は僕を医者とは思わなくなった。

だが、言わしてもらえば、そもそも家族は自分で診るものでない、と僕は思う。
客観的な判断が難しく、また、お互いに我儘もでるからである。
子供を診てやっても、“スポック先生はそんなことはおっしゃってない”など、その頃の子育てのバイブルを引き合いに出したり、“もっとやさしく触らないと可哀想じゃない”、などうるさくてしょうがない。
じゃ、小児科につれてけ、と怒鳴ってしまう。

その頃のアメリカのインターン、レジデントは、アメリカに唯一残された奴隷制度といわれるほど過酷な勤務だった。
その子の幼い頃、僕は一日おきの徹夜、その合間も夜中までの勤務で、子供の顔を見ることは殆ど無かった。たまに家に帰ると、“変なおじちゃんがきた!”、と子供に泣かれたことがある。
そんなある日、配偶者がスーパーのミニコミ誌を手にし、“これを見て”と鬼の首を取ったように指差した記事は、
“決して医者とは結婚するな(Never marry a docter)”
と大きな見出しで書いてある。
「貴方はヒューマニズムに燃えたヒーローと生活を共にすると期待に満ちているだろう。
だが、その病める人の救い主は、昼間の内に“ヒューマニズム”を使い果たし、貴方のところに戻ってくるのはその“燃えカス”にすぎない。」
「もう手遅れね」と配偶者はあきらめ顔である。

ですから世のお嬢さん達、もし医者との結婚を考えているなら、よほどの覚悟が必要ですよ!
by n_shioya | 2013-01-27 21:55 | 医療全般 | Comments(2)
Commented by HOPE at 2013-02-03 18:47 x
日本では「亭主元気で留守がいい」なんてのがありますが…
それとこれとはどう理解すればよいのでしょうか?
Commented by n_shioya at 2013-02-06 10:21
HOPE さん:又別の機会に・・・


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