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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
昔々あるところにそれはそれは美しいお后様がいました。
“鏡よ鏡、世界で最も美しい者は?”と訪ねると、“それは貴女様”と鏡は答えます。 幸い邪魔な白雪姫もいません。しかも,お后には素敵な秘密があったのです。それは美容外科医。彼は「しわ取り術」の名人だったのです。 ところがしわ取り術を繰り返すうちに、異変が起こりました。お后のアゴにエクボが出来たのです。それでもなお手術を繰り返すうちに、ついにアゴにひげが。 はて、どうしたのでしょうか・・・。 グリムの童話調で進めてきたこの話、「しわ取り術」の説明が必要かもしれない。 最近では若返りを目的に、ミニリフト、さらにはメスを使わないケミカルピール、レーザーピール、ボトックス更には日或るトン注射などが人気を呼んでいるが、本当に顔のたるみをとるためには、昔ながらの「しわ取りの手術」が最も効果的である。 ![]() この手術ではまず耳の周り、つまりこめかみから始まって耳の後ろまで、ぐるり取り巻くように切開をいれ、切り口からハサミで顔の正中部分に向かって丁寧に皮膚をはがす。 次にはがした皮膚を後ろ上方に吊り上げ、余分の皮膚は主としてこめかみと耳の後ろで切り取るだけの話である。 唯、はがした皮膚の直下を顔面神経が走っているので、それを傷つけないよう単純な操作の割には気骨の折れる手術ではある。 こうして五年から十年の若返りは期待できる。ま、これだけの投資が、何時まで持続するだろう。よく聞かれる質問に対し、僕はこう答えることにしている。 “この手術は時計の針を後戻りさせるだけ。決して、加齢という針の動きを止めてしまうわけではない”と。 ところで、最初の童話もどきに戻ろう。"お后の顔の異変”、もうおわかりでしょうね。 皮膚のつり上げを繰り返すうちに、いつしかおなかの皮が顔に移動し、お臍がアゴに来てエクボになったといえば、その先のひげの説明は不要でしょう。 アメリカ女性の喜ぶパーティジョークでした。
by n_shioya
| 2013-01-15 21:31
| アンチエイジング
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Comments(2)
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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