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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
という訳で,先ずとっかかった本が、
「美女の歴史」。著者はドミニク・パケ。フランスの女優で劇作家のようだ。 美女列伝を期待していたが,中身はお化粧の歴史であった。それはそれで今回の課題の一つではあるが、注目していただきたいのは表紙の女性である。 僕の記憶が正しければ,ラファエル前期の画家,ダンテ・ガブリエル・ロゼッティの「プロセルピナ」の筈。ウイリアム・モリスの妻ジェーンをモデルにしたと言う。 ![]() 問題はバラリと解いた長い髪である。 此れには深いメッセージが込められていると,以前文化人類学社の某女史からお聞きしたことがある。 時はヴィクトリア朝時代。所謂ヴィクトリアン的道徳の掟で女性はがんじがらめに縛られていた。 髪は纏めあげて,かぶり物で覆うのが常識とされていた。 それをザンバランと肩になびかせるのは、因習に対する挑戦,女性の解放を意味したという。 ちなみにロゼッティはエリザベスという女性と結婚しているが、ジェーンはロゼッティにとって“ファム ファタル ”だったと言う。なんのことかよくわかりませんが。 ところでビートルズがあの長髪で出現した時,アメリカ中が仰天した。 音楽より何より,あの不潔な髪はというのが,一般の受け止め方だった。 当時は,クリーンなヘア・カットとひげ剃りは男の身だしなみだった。 やがて彼らの音楽とともに,長髪旋風が若い医師たちをも巻き込んだ。 この不潔な奴らは手術場から追い出せ,と騒動になった。 その時或る有名な外科の教授が言ったのを思い出す。 「髪を切ろうと切るまいと,それは個人の自由だ。髪が長ければ、看護婦の帽子をかぶれば良い。だが,長髪でしか主張出来ないような個性は,個性の名に値しない。」と。けだし名言である。 さて,「髪の毛」だけでもその「メッセージ性」はまだ,まだ話しは尽きない。 何故「ハゲ」は嫌われるのか? また、テレビの生番組でハゲの解説を依頼された時,“ただし、ハゲは禁句ですから”と,直前にディレクターに釘を刺され往生した話し、などなど・・ その先は,四月から予定しているアンチエイジング・カフェでたっぷりと。
by n_shioya
| 2013-01-08 21:19
| 美について
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Comments(2)
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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