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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
道草こそ人生の王道
2ヶ月ベッド生活をして改めて気付いたのは、生まれてこの方と言うといささか大げさだが、これまで80年走り続けてきたことである。
じっと天井を見つめる60日。
幸い追っかけられる仕事も無い身分なので、貴重な体験だった。
初めての「人生の道草」と思ったが、「道草」は昔から特技だった。

学校の帰り道、1、2時間は駄菓子屋や草ッパラをほっついて暗くなってから家に帰るのが、僕に限らず昔の小学生の習いだった。
幸い、「塾」などと言う「収容所」は存在していなかった。

中学に入っても「道草」の楽しみは続いた。
下北沢の南口から200メートルほど商店街が続く。古本屋、喫茶店そしてレコード屋など、など。
その一つ一つに引っかかって、店の親父と暫く話し込むのが楽しみだった。
ことに古本屋の親父は、商売柄物知りが多い。学校では教わらぬ大人の社会教育?も受けることが出来た。ある日突然その親父が蒸発した。店を手伝っていた女の子と逐転してしまったらしい。彼の社会教育は理論だけではなかったようだ。

そして旧制高校。
ここは寮生活そのものが「道草」だった。真面目に授業に出る奴は変わり者扱いされ、マトモな者たちは昼間は寮のベッドで休みを取り、夜になると渋谷の繁華街に繰り出す。それでも門限があり、鉄の門扉が閉められてしまうと、向かいの交番のお巡りが、ケツを塀越しに押し上げてくれた。

医学部も似たようなものだった。僕は4年間の殆どを赤門前のコーヒー屋で過ごしたが、4年間、東京湾で毎日ヨットに励んでいた男もいる。
古き良き時代である。
マトモな医学の勉強は、卒業してから慌てて始めたと言っても誇張ではない。

こう書いてくると、「初めての人生の道草」とは我ながら厚かましい言い草と気付いた。
そこで開き直ってこういい直そう、「道草こそ人生の王道」と。
by n_shioya | 2012-12-29 22:07 | コーヒーブレーク | Comments(2)
Commented at 2013-01-02 21:39
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by n_shioya at 2013-01-03 11:51
マッツさん:車でもハンドルの遊びが多少無かったら、危なくて運転出来ないですよね。
そして僕は、「あそび」の喪失の裏返しにエリート教育の壊滅があるのではと考えています。
「あそび」と「志し」は表裏一体というか、車の両輪と言うか・・・・


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