|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
どういう訳か僕は「奇跡の存在」に対する抵抗はない。
信じる信じないと言うより、あって当たり前ジャン、と言う感じである。むしろこの世で「物質世界の法則」が全てとしたら、詰まらないと言うか味気ないと言うのが本音である。 それに医者を長くやっていると、“生命そのものが奇跡”に思えてくる。 生命現象が分子レベルでそのプロセスが解明されてくると、これほど複雑な機能が、物質法則だけで合目的的に運営されている事自体が信じられないと言うか詰まり奇跡としか言いようがない。 それに比べ、いわゆる「奇跡」は、造物主である神が、勝手にそのプロセスをバイパスするだけなのだから、生命の仕組みを構築するより遥かに手順としては簡単である。 むしろ不満なのは、教会が「奇跡の問題」を避けて通っている感じを与えている事だ。 聖書を読むとキリストは何十回となく「奇跡」を行っているが、半分以上は病人の癒しである。しかも使徒達にはその能力が授けられ、使徒行伝によれば実際に異能を発揮している。 それが一、二代で途絶えてしまい、「神の代理人」である筈の教皇方もこの方面はあまり得意とはされなかったようだ。 もちろん医師免許を持たない信者が、バカスカ病人を治してくれては我々は飯の食い上げだが、やはりこの辺りは医師としてはっきりして頂きたいところである。 今日もイグナチオ教会の書店で探してみたが、事奇跡に関しては解説書は見当たらなかった。 やはり自分で聖書を、眼光紙背に徹するほど読み解かねばならぬかと思うが、これが又大事業である。 昔指導司祭から、聖書の記載は ①歴史的事実か ②教訓か ③信仰に関わる秘儀なのか 一つの事柄の記述でも、三様の取り方があると言われたのを思い出して、呻吟している。 なんと愚にもつかぬ事を、と思われるかも知れないが、いよいよ「隠れキリシタン」の仮面を脱いで、カトリック信者としてカミングアウトを考えている医師にとっては深刻な問題である。
by n_shioya
| 2012-08-26 21:42
| コーヒーブレーク
|
Comments(2)
|
塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 アンチエイジング スキンケア 医療崩壊 キズのケア QOL 老年病 介護 手術 全身療法 食生活 サプリメント エクササイズ エステティック ヘアケア 美について コーヒーブレーク 医療全般 原発事故 睡眠 美容外科 再生医療 再生医療 未分類 最新のコメント
フォロー中のブログ
ICELANDia アイ... 九十代万歳! (旧 八... ・・・いいんじゃない? 京都発、ヘッドハンターの日記 美容外科医のモノローグ ArtArtArt 芙蓉のひとりごと 真を求めて 皆様とともに... ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
|
ファン申請 |
||