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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
医師としての適性など偉そうなことを言ってお前はどうだったと問いつめられると、忸怩たるものがある。
さしたる目的意識も無しにとりあえず医学部に入ってしまった僕は、学業に身が入らず、卒業までの4年間を悶々と過ごしたからである。 だから北里に在職中も、どちらかと言うと出来の良い学生よりも、出来の悪い奴らに親近感を覚えたものだ。 偏差値が上位の為、意に反して進学させられた者はともかくとして、適性も意欲もないのに親の都合で無理矢理押込められた奴らは悲惨である。 北里では教養課程を含めての6年間は、各年度一回は留年が許される。と言うことはマメな奴は12年かけて卒業することになる。 中には12年を経てなおかつ最終の追試で失敗し、退学させられた気の毒な生徒も居た。 試験の出来が悪ければ落第点を付けざるを得ないが、その常識に欠けるのがこのごろの親の通弊である。 あるときそんな親の一人が教育委員長のところに怒鳴り込んできた。 “なんで俺の息子を!” “でも、得点がこれじゃ・・・” “俺の子が出来が悪いのは分かっとる。だからあんたのところに入れたんじゃないか。” 教授会で報告した委員長は怒り心頭だった。 2年目の留年の後、また得点が取れず退学となる場合、「泣いて馬謖を斬る」のは医学部長の役目である。 その宣告を受けた学生の一人が、”これで親も納得するでしょう。”と 喜色満面で礼を言ったと言う。これには学部長も唖然とするだけだった。 でも皆さん、これはごく一部の学生です。北里の殆どの学生は皆学業に熱心で、人間性豊かで、しかも友情に厚い・・・試験場でも「助け合いの精神」を発揮して。 だから皆、患者さんの気持ちのわかる優れた臨床医になってくれます。
by n_shioya
| 2012-08-14 19:26
| 医療全般
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Comments(2)
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HOPE
at 2012-08-15 10:32
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人間性と学業の出来は必ずしも比例はしないでしょうし、ましてやそこに親の思惑がかかっても・・・ねえ
医師のような職業は両方をより高いレベルで求められるでしょうから大変です それにしても子供には「自分で決めること」と「そのために必要なこと(学業・志を含む)を手に入れる努力を自分ですること」を身に着けさせるのが一番大事なことに思うのですがいかがですか? それこそ「自立」ですよね でも、今の受験のシステムだと、そこを殺すことが第一と言われたりもします。大人の言うことを聞く反抗心のないことが条件とか…人間性育たないですよね
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n_shioya at 2012-08-20 06:34
HOPEさん:
まず文部省をなくして、自由にやらせてみたらどうでしょう。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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