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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
アメリカの形成外科学会に出席した際、夜のバーで皆でオダを挙げていると,誰かが言った。
“俺は生まれ変わっても,また形成外科医になるぞ。” “そうだ、そうだ“皆賛同した。 “俺たちが形成外科以外のことをやるなんて考えられないからな。” ほかのかの医者どもも,自分の専門について同じように思うだろうか? 僕にはそうとは思えない。 形成外科医はそれほどお目出たい種族で,僕もその立派な一員である。 我々は医者である前にまず職人である。 我々は只切ったりはったりする野蛮な外科医と違い,この手で形を作り出す造形の外科医である。 つまり、ちょっぴり芸術家でもある。 ちょっと足したり,ちょっと削ったりして“決まった!”と感じた時の充足感。これはほかの科では味わえないだろう。 “形成外科医になるには器用でなければなりませんね?” 学生に聞かれると,僕はこう答える。 “いや,その必要はない。器用であるにこしたことはないが。” そしてこうも付け加える。 “この僕でも務まるのだから。” いろいろなタイプのレジデントに接してわかったのは、一見不器用そうな奴でも,こつこつと積み上げていけば、立派な形成外科医になるのをみてきたからである。 要はどれほどにモチベーションが高いかである。 なまじ器用だと、出たとこ勝負で,よく考えずに何となくつじつまを合わせたりするので,大成しないことが在る。 もちろん、天性器用な奴が,研鑽を積み、考え抜いて手術と取り組めば、「鬼に金棒」である。 幸い僕の教室からは幾人もの「金棒を持った鬼」を輩出することが出来た。
by n_shioya
| 2012-08-08 20:20
| 医療全般
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Comments(4)
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「金棒持った鬼」ってなんだか素敵です
最近話題の医師の適性(人間性)なんてことは不安になりますが、 こういうお話元気が出ます
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ケガを負ってしまった人間として、形成外科バンザイ!な気持ちでいます。今まで縁なく生きてきましたが、、。これからも鬼に金棒なドクター達が傷ついた人を鮮やかに助けて下さいますように。
HOPEさん:
医師にもいろいろ在り、捨てたもんじゃ在りません。
みかさん:
過度な期待も困りますが、まだ形成外科の効用と言うか存在すら知らぬ、方々が、医師を含め、居られるので、啓蒙の必要を痛感しています。
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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