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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
プレスクラブの危機?
外国特派員クラブ、通称プレスクラブが経営難に陥り,八月からレストラン運営を縮小すると言う。

50年近く前,プレスクラブを僕に紹介してくれたのは当時リーダースダイジェストの記者だった、スーザンである。
取材をかねたランチで,生まれて初めてのビシソアーズを御馳走になった。当時はまだ,このジャガイモの冷スープは東京のレストランではお目にかかることがなかった。
“メンバーにならない?“とスウに誘われて一も二もなく入会したのは,このビシソアーズと,当時でも安い一杯100円のコーヒーと、頻繁に催される記者会見の為である。

プレスクラブでは毎週2、3人の「時の人」を招いて、ランチョンを兼ねた記者会見を行う。
あらかじめ質問事項を提出するなれ合いの日本の記者会見と違い,こちらは全てアドリブである。
外人記者の情け容赦のない質問に,日本の政治家は殆ど皆ボロを出してしまう。
田中角栄が沈没したのもこのプレスクラブだった。

石原慎太郎も最初の知事選の前,ランチョンで“私が都知事になった暁には・・・”と全ての質問に格好付けていたが,外で街宣車が何かがなり立てているのを聞きとがめた外人記者の一人が、”ではお聞きしますが,貴方が都知事になればあの街宣車は取り締まるでしょうね?”と突っ込まれ,”あ,それは言論の自由で・・・”とかいってへなへなと腰砕けとなり、右翼との関係をさらけ出してしまった。

世界に先駆けて心臓移植を成功させたクリスチャン・バーナードも、プレスクラブで記者会見を行った。
流行最先端のアルマーニのスーツに身をかため、軽妙な語り口で,意地悪な質問もさらりとユーモラスにかわし、ご婦人方を魅了したのを覚えている。
それからだいぶ後に,和田寿朗先生も話されたが,こういっちゃ悪いが泥臭くて,バーナードの方が遥かに役者は上だった。

このプレスクラブのアクティビティが低下するのははなはだ悲しいことである。
by n_shioya | 2012-08-02 22:47 | コーヒーブレーク | Comments(4)
Commented at 2012-08-03 03:18 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by n_shioya at 2012-08-03 11:29
ハドソンさん:
リーダースダイジェストは戦後の日本で最も人気のある雑誌でした,ライフとともに。
Commented by みや at 2012-08-05 22:08 x
もしかして、福島原発事故の影響で外人記者の数が減ったのでしょうか?
各国大使館が関西に機能を移しつつあると聞きました(ソースは不明です)。
Commented by n_shioya at 2012-08-07 09:08
みやさん:
原発事故と欧米のアジアでの拠点が日本から中国,シンガポールなどに移りつつ在るのと両方かと思います。


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