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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
ディッキンスがここにきて再評価されていると、何かの雑誌にでていた。
彼が繰り返し描いた支配層と抑圧された貧困層との軋轢が、市場経済優先の現代の格差社会で再現されているからということのようだ。 「オリバー・ツイスト」などその代表だろう。 子供時代、ディッケンスに親しんだことは幸いだった。 郷土の詩人土井晩翠にあこがれ、医者よりも詩人を志していた親父の書庫は、文学書で溢れていた。 日本文学全集のような全集物が多く、漱石全集、鴎外全集、などに交じって翻案だが、ディッケンス全集もあった。 小学生の頃は、こういう大人の恋愛小説は禁じられていたが、どういう訳かディッキンスだけは例外だった。 デビット・カッパーフィールド、二都物語、ドンビィアンドサン等々、子供たちが大っぴらに読める大人の本として、繰り返し読んだものである。 勿論菊池寛の「真珠夫人」、谷崎純一郎の「痴人の愛」等もこっそりと楽しんではいたが。 19世紀のイギリスの格差社会もディッケンスの筆でカリカチュアライズされると、ひたすら面白い読み物に変貌した。 いま思うと僕はディッケンスを通じて、イギリス人独特のユーモアとペーソスの絶妙なバランスを学んだような気がする。 特にユーモアとは、自分を客観視して、茶化す能力であるということを。 やがて成人したら、ディッケンスの全作品を原書で読むことを夢見たが、その膨大な全集を前にして、もうその元気はない。 だが、せめて一冊でもと思うが、ならどの一冊を選ぶかで悩んでいる。 いっそ、欲張って二作に倍増し、「二都物語」と「デビッド・カッパーフィールド」を目標とするか。 だが、その前にシェークスピアも控えているし・・・
by n_shioya
| 2012-02-16 21:35
| コーヒーブレーク
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Comments(3)
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船長
at 2012-02-18 00:08
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今の軽薄なお笑いブームとは大違い…と書いて、でも本当の意味でも面白い人はあらゆる分野でも活躍するからそれはそれでいいのかなと少し許容できたりもするのでした
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n_shioya at 2012-02-18 22:33
船長さん:
本物のユーモアは今のお笑やドタバタの対極にある文化ではないでしょうか?
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村石太キッド&ナミ&ゲンゾウ
at 2012-09-07 22:15
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オリバーツイストで プログ検索中です
オリバーツイスト 名作ということは知っているんだけれど まだ 読んだ事も 映画 舞台も まだ 観た事も無いです。本訳も いろんな人がしているんですね。人生で 一度はこの作品に 触れておきたいです。 映画同好会(名前検討中 読書同好会(名前検討中
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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