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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
今日で仕事納め。
田中室長とNPOの事務局の皆さん、ご苦労様でした。 波乱万丈とまでは行かなくても、紆余曲折の一年でしたね。でも本当によくやってくださいました。 改めて感謝の意を表します。 ![]() 来年の抱負は元旦まで待っていただいて、今年を振り返ると、 ①まず80になって改めて気付いたのは、僕も年をとると言うことである。 何を今更と思われるかもしれぬが、抗加齢などぬかしていると、加齢とはあくまで他人事で、自分は何か圏外にいるような錯覚を持ってしまう。 だが、春の体調不良や、ごく最近の追突事故で、加齢に伴う現象が身近なものになってきた。 これがこれからのアンチエイジングの探求に深みと現実味を与えてくれることを願う。 ②今日も横浜市大の心臓血管センターを訪れ、高血圧治療の指導を受けてきたが、改めて病院は異次元の空間と感じた。 これはかつて医者であった男の感慨と言えよう。 自分が病気になるまで、病院とは自分の仕事場であって、頭を下げて診察を請う場所ではなかった。 ま、行ってみれば検事が被告席に立たされたような、屈辱感とまでは言わぬが、割り切れない感じはぬぐえない。 ③ しかも病院とは、治療する側の都合を論理で組み立てられている。だから癒しの空間というよりは、よほどの体力がない限り、さまざまな検査や治療に耐えられないとさえ感ずることがある。患者を“様“づけで呼ぶ前に、もっと患者本位の在り方があってもよいだろう。 その点、横浜市大の対応には満足している。 ③これはお恥ずかしい話だが、この頃ようやくこの年まで生きてよかったと思うことが多々ある。 そのひとつは、僕はこれまでは何のかんの言ってもすべて自己中心であったと気付いたことである。 患者のためと言っても、その推進力は自分の興味と満足にあった。 又、仕事の遂行に当たっても、あくまで成果主義であり、やらされる者のお思いや立場までには、思い至らなかった。 勿論競争社会での企業の論理は厳しい。 だが、其の中でも、個人、個人の発想が尊重され、モチベーションが高まるような環境作りが可能ではないか、と改めて思う次第。 トルストイの短編に「人は何で生きるか?」というのがあるが、今改めて考え直さねばならぬのは、「人は何のために仕事をするのか?」かもしれない。 勿論、自分のこれまでの悪弊がすぐ改まるわけではないだろう。だが、そこに気付いただけでも、一歩前進したのでは自画自賛している。
by n_shioya
| 2011-12-27 21:51
| コーヒーブレーク
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Comments(2)
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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