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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
数日前、長男の友人である電通のT局長とランチを一緒にした。
前にも書いたが、我が家には五人子供がいて、それぞれにまた何人かの友達がいるので、子供たちの出入りは絶えなかった。 山小屋には総勢30人ほどが雑魚寝したこともあるという。こうなるとどれが自分の子か区別がつきがたいことあるが、あまり気にもならなかった。皆僕の子供だった、相手様はどう感じていたか知らないが。 T君の父親は、手術の後に重症肝炎を併発して、20年ほど前に亡くなった。 母上は数年前から認知症になり、特養に入っておられる。 配偶者から、母上のことは話題にしないようにといわれていたので、食事中には全く話しは出なかったが、別れ際に彼から雑誌のコッピーを渡された。 頼まれて親の思い出を描いたので、あとで読んで欲しいという。 “一寸美化してますが”、と照れ臭そうである。 そこには、息子を夫と思い込んでいる母親が、夫との楽しい思い出を懐かしむ様がほのぼのと温かく描かれていた。 それは一遍のお伽話でもあった。 丁度、アンデルセンの自伝が、作品の中で最も優れたお伽話だったと言われるように。 またゲーテが自分の伝記をあえて「詩と真実」となづけたのは、詩と真実を並列したのではなく、詩のなかにこそ真実が宿ると言いたかったからではなかろうか。 僕の両親も残された数年は認知症の世界で暮らしていた。 自分の親が目の前で崩壊していくのを見るほど辛いことはない。そのためか僕の親に対する気持ちは決して温かいものとはいえなかった。 君は本当に親孝行だね、T君。
by n_shioya
| 2011-06-23 23:16
| 介護
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Comments(2)
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![]() 塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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