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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
フランス革命
「フランス革命」について我々はどれほどのことを知っているだろう。
少なくも僕自身は。ほとんど何も知らなかったことが、安達正勝氏の「物語フランス革命」(中公新書)を読み始めてわかった。

フランス国家マルセィエーズや赤白青の三色旗が、革命によって生まれたことや、ギロチンの活躍、その犠牲となったマリー・アントアネットにまつわる数々のエピソード。それたエピソードの数々はなじみ深いが、肝心のフランス革命の歴史的意義となると、あまり考えたことがないというのが偽らざるところだ。

安達氏によれば、“フランス革命とは、現在われわれが住んでいる社会、近代市民社会、近代資本主義社会の出発点に位置する革命である。我々の社会は「国民主権」とか「法の前の平等」とか言った原則にのっとって運営されているが、こうした現代社会の根本原則フランス革命によって確立された。”
序章で氏が強調されているくらいだから、この点の認識不足は僕だけでないと言えるだろう。

歴史の解釈に二つの立場があると言われている。
一つは「個々人」が歴史をつくるという考え。
今一つは歴史には本来「流れ」があり、個人個人はそのプレイヤーにすぎないという考え。
これは二者択一というよりは、どちらに重きを置くかであろう。
トルストイなどは後者の立場であの大作「戦争と平和」を展開したように思う。
だが、素人はやはり、個々人のエピソードに興味が惹かれるし、ワクワクもさせられる。

だがフランス革命については、歴史を変えた時代の「流れ」にまず目を向けるべきということがよくわかった。
僕なりに「国家」の歴史を大ざっぱに俯瞰すると、主権はまず「祭司」にあった。やがてそれが「王権」へ委譲し、それを国民が惨奪したのが近代国家と言える。ただその惨奪に当たって、あれほどの流血の惨事に必然性があったのだろうか。安達氏も結論は出しておられないようだ。

また、この三段階が近代国家成立のプロセスと考えた時、わが国はいったいどの辺だろう。
建前は「主権在民」だが、二段目の「王権」の代わりの「官僚支配」が強固ともいえるし、しかもまだ心情的には、「司祭」の影もちらついている。
ま、このへんが混然一体となっているのが、“和を持って貴しとなす”のわが国の美風なんでしょうか?
by n_shioya | 2011-05-21 17:37 | コーヒーブレーク | Comments(4)
Commented by HOPE at 2011-05-22 08:28 x
確かに私もエピソードばかりが印象に残り
流れの全体像に目がいったことはなかったです
それにこの国がどこにいるのかに至っては皆目…
「気がついたら国の体をなしていた」感じですよね
「国家」とか「国益」とかいう言葉を聞いてもしっくり来ない
不思議な集合体という感じです
Commented by 十楽人 at 2011-05-22 09:42 x
我が国は、「司祭の影もちらついている」「名ばかり民主主義の国」では?大臣認証式での天皇に対するあのしゃちこばった“臣民”の姿。滑稽であり見ている方が恥ずかしくなります。「流血の惨事」を肯定するわけではありませんが、我が国の民主主義は、国民自ら勝ち得たものではなく所詮、敗戦により占領軍から与えられた民主主義ということではないでしょうか。
Commented by n_shioya at 2011-05-22 21:01
HOPE さん:
海図もなく、いや目的地もなく、風のまにまに太平洋を漂流しているのが、日本ですね。
Commented by n_shioya at 2011-05-22 21:04
十楽人さん:
僕が国のあり方でカッカすると、“でも、みんながそれでいいと思っているんじゃない”と配偶者は申しますが・・・


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