|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
高齢者のQOLというか、生きがいについての著書を読むと必ず引用されるのが、今読んでいるエリクソンの「老年期-生き生きとしたかかわりあい」である。
だいぶ以前に買い求め、積読の仲間入りしていたが、今日はまだ体調もすぐれないので、一日家にこもって、半分ほど読むことが出来た。 エリクソンは人間の心理学的発展過程を8段階に分け、それをライフサイクルと呼んでいる。これはすでに心理学では定説となっているようだ。 具体的には幼児期から始まり、児童初期、遊戯期、学童期、思春期をへて、成年前期、成年期と続き、老年期で終わる。 それぞれの時期に特有のキーワードが示されているが、その説明は別の機会にする。 面白いと思ったのは、この著書では、老年期からこの八段階を逆にたどり、老年期にある者が、自分の人生の節目節目でいかに過去から脱皮し、またその過去と折り合いをつけてきたかを分析している。 かねがね僕はこの自分の過去と折り合いをつけることが、高齢者のすべき作業の一つと思ってきた。 具体的にはまず自分の過去を是認することだと言う。 そして、それを自らの成果として評価することが大切なようだ。 また、衰えは衰えとして受容すべきだが、年甲斐もなくなどと行動を自制することも好ましくない、といささか矛盾した提言もある。 このほか、家族との関係、社会との関わり、仕事のやりがいなど高齢者のいろいろな問題が浮き彫りにされているが、決して机上の空論でなく、相当数のカップルを長期にわたってフォローしての纏めである。 残りを読み終えたところで、またご報告するが、一つ難渋しているのは心理学の術語なのか、判ったようなわからないような言葉が結構多いことだ。 例えば、「生殖性と停滞」「祖父母的生殖性」「自発性の表出」など言われると、素人は困惑してしまうが、もっと平易な日本語にはならないものだろうか。 このブログが不得要領だとしたら、それも一つの原因である。申し訳ありません。
by n_shioya
| 2011-05-11 22:14
| アンチエイジング
|
Comments(8)
Commented
by
HOPE
at 2011-05-11 23:00
x
折り合いをつける…ことほど難しいことはないと年を重ねるほどに思います
今の私には「それを選択すると決められていたんだ」と『開き直る』ことが精いっぱい どうにも近づくことすらできない大きな力に試練を与えられて 右往左往している感覚は年々強くなります これは考えすぎでしょうか? それでも「今生きていること」に感謝する瞬間がある限り ステタモンジャナイ!という感じで 悪くないです
0
Commented
by
icelandia at 2011-05-12 16:23
体調が優れないなか、ずっとブログを精力的に続けていらっしゃり、本当に脱帽です。あの・・・。関東近県みなさん季節外れの風邪引きさんになっているのは、3月のあの時に少なからず放射線物質を吸い込み、免疫が低下していると考えるのが妥当ではと私は思っています。思い起こしてみれば、私が幼い頃、原因不明の鼻血や下痢をよくしていました。そういう時代に育っていますが、特に大きな問題なく大人になりました・・・ってもう人生後半ですが(笑)。
このところ私もずっと喉が痛いのと、胃腸が弱っている感じがあり、元来健康体である私はいいとして、みなさんのことを心配しています。
Commented
at 2011-05-12 20:31
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
n_shioya at 2011-05-12 21:08
HOPEさん:
開き直りでいいじゃないですか、それも自分の肯定ですから。
Commented
by
n_shioya at 2011-05-12 21:09
Commented
by
グリーンノート
at 2011-05-12 21:18
x
先生が早くお元気になられますように。
実はこの度我が家に空気清浄機なるものを設置いたしました。今ではこれがある家庭の方が多いのかどうかはわかりません。 わたしは最初は半信半疑でしたが、これがなんとよいのです。今年、買って良かった家電の1位ですね。1日付けっぱなしておけますし、外から帰宅された時は、お部屋の空気が清々しく感じられるでしょう。インフルエンザの予防にもなります。ちなみにシャープ製がお勧めです。医療機関でもよく利用されているようですが。(もしかしたら先生は既に空気清浄機をお持ちかもしれませんね。)
Commented
by
n_shioya at 2011-05-12 21:18
ローズマリー さん:
おっしゃるような意味で、エリクソンも老年期は人の一生にとって極めて大事な時期と言っています。 確かにときめき体験は有用なようです、僕はその言葉自体には多少違和感がありますが。 “孫”は確かにありがたい存在です。あまり責任を感じずに可愛がることができるからでしょう。向こうは相手になってやってると思っているかもしれませんが。 また、“いくつになっても男と女”というのは、我がアンチエイジングネットワークのモットーでもあります。
Commented
at 2011-05-12 21:24
x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
|
塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 アンチエイジング スキンケア 医療崩壊 キズのケア QOL 老年病 介護 手術 全身療法 食生活 サプリメント エクササイズ エステティック ヘアケア 美について コーヒーブレーク 医療全般 原発事故 睡眠 美容外科 再生医療 再生医療 未分類 最新のコメント
フォロー中のブログ
ICELANDia アイ... 九十代万歳! (旧 八... ・・・いいんじゃない? 京都発、ヘッドハンターの日記 美容外科医のモノローグ ArtArtArt 芙蓉のひとりごと 真を求めて 皆様とともに... ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
|
ファン申請 |
||