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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
本日のトップニュース:脂肪吸引と死
今朝の朝日新聞を見て愕然となった。
品川美容外科の医師が二年前に脂肪吸引で患者を死に至らしめ、今回検挙されたという報道である。
腹壁に三か所穴をあけられていたという。
あってはならないと言うより、常識的にはあり得ない重大なミスである。

何故こんなことが起こるのか?
法律的には医師は何科をやろうと許される。
このことはどれくらい一般的に知られているのだろうか
例えば僕が明日から産婦人科を名乗っても一向に構わない。
ただ僕にその勇気がないのと、聡明なご婦人方なら、ある日突然産婦人科を掲げた僕のところにおいでになるとは思えないだけだ。
だが、もしおいでになったとすれば、ここにも大きな問題があるのだ。
産婦人科のド素人である僕の手術料も、僕が尊敬する産婦人科の名医と、現行の保険制度では全く同じ扱いなのである。

しかも美容外科自由診療である。
素人医師が専門医以上に手術料を請求することも可能だ。
その為患者の被害は絶えないし、又、良心的な美容外科医もそのとばっちりで苦しめられているのが現状なのだ。

多かれ少なかれ、医療はリスクを伴うものである。
どんな名医が執刀しても、あるパーセントで起こりうる合併症と言うものの存在は否定できない。これを、カリュキュレイテッド・リスクと呼ぶ。
又、あってはならないが、人のやることなので、うっかりミスというものもないではない。
だが、今回のような過誤はなんと呼べばよいか、ド素人が手を出すべきでないところに手ではない、カニューレを突っ込んでしまったという、悲惨な事件である。

医師会には自浄作用はないのか?
残念ながら弁護士と違い、医師は医師会に入らなくても開業は可能である。
幸い形成外科には立派な専門医制度がある。
我々が其の資格を美容外科医の最低の必要条件と訴えているのはそのためである。
この専門医制度に法的基盤を与えることを行政に期待する。
by n_shioya | 2011-03-09 23:03 | 医療全般 | Comments(5)
Commented at 2011-03-09 23:01 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by HOPE at 2011-03-10 08:08 x
やはり久々に愕然としました、このニュース。
更に先生のご指摘を読んで改めてゾッとしました。
なぜこんな制度のまま認められているのでしょう?
医師会に入らなくても、とか、専門医としての経験がなくても手術できるとか…。
素人には理解できません
命がかかっている仕事なのに…。
よくある「誰かの死で初めてモノが動く」なんてことがあるなら許されないことですよね。
私が亡くなった患者さんのご家族なら
「医療過誤なんて言葉で片付けてほしくない。担当医師、クリニックに殺された。制度が見殺しにした。」
と感じると思います。
Commented by Miharu at 2011-03-10 20:42 x
このニュース私も新聞で拝見しました。
よく聞く名前のところなので驚き、怖いと思いました。
先日私の勤務するクリニックにファックスでセミナー案内が来ておりました。
ヒアルロン酸やボトックスの注射の講習案内。
これをマスターして美容外科に!
その案内にぞっとしました。。

Commented by n_shioya at 2011-03-10 21:26
HOPEさん:
現役時代、美容外科の健全な発展を願って、努力を続けてきましたが、現状は相変わらずで暗澹とした気持です。
Commented by n_shioya at 2011-03-10 21:30
Miharu さん:
あのクリニックだけでなく、まだまだ沢山の似たようなレベルのクリニックがチェーン展開をしているのは恐ろしいことです。


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