|
NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
加藤恭子さんがまた、また本を出された。
「言葉でたたかう技術」である。 副題の「日本的美質と雄弁力』の方がもっと内容に沿っているかもしれない。 彼女は僕より二歳上、アメリカに二度、フランスに数年と留学、外国滞在の経験も豊富である。 言挙げをしないことは、日本の中では美徳かもしれぬが、これから国際社会で渡り合っていくには、弱点でもある。 今後は、和を尊ぶ美質を残しながら、世界にその美質を言挙げしていくべきだ。 というのが、長年の外国生活と、上智大学のスタッフとしての豊かな経験から生まれた、加藤さんの結論であり、この御本の趣旨でもあると思う。 同時期に、似たような経過をたどった者として、御著書で述べられていることは、全く同感である。 同じことでも彼我の受け止め方に180度の違いがありうる、パーセプションギャップ。 それを埋めるためには、率直で忍耐強い意見のぶつけ合いが必要だが、我々はそれを得意とはしない。 だが、これからは場合によっては日本的な思考や立場を、西洋的なロジックで説明するという、いささか矛盾をはらんだ努力が必要とされるのではないか。 ハンチントンも名著「文明の衝突」の中で、世界を八つの文明圏に分けているが、日本だけは一国だけで文明圏を形成しているとしている。 その立場で日本がこれからいかに世界に貢献できるか、加藤さんは終章で具体的な提案をされている。それは御著書の中では、あるシンクタンクの活動として展開されており、夢物語と謙遜されているが、これほどバランスのとれた、日本の取るべき具体案はこれまでに耳にしたことはない。 終わりの言葉を引用させていただく。 「島国ゆえに、他を知らず、理解できないことも多いのだが、逆に、まさに島国ゆえに、世界が見えると言うこともあるのだ。 (中略) 真に日本的なやり方が、世界のあちこちで立ちはだかる諸問題の解決の糸口になる可能性はないだろうか。 (後略)」 おっしゃるとおりです、加藤さん。 新しい年を迎え、僕も希望を持ってこの課題と取り組んでいくつもりです。 では皆さん、よいお年を!
by n_shioya
| 2010-12-31 22:47
| コーヒーブレーク
|
Comments(2)
|
塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
以前の記事
検索
カテゴリ
全体 アンチエイジング スキンケア 医療崩壊 キズのケア QOL 老年病 介護 手術 全身療法 食生活 サプリメント エクササイズ エステティック ヘアケア 美について コーヒーブレーク 医療全般 原発事故 睡眠 美容外科 再生医療 再生医療 未分類 最新のコメント
フォロー中のブログ
ICELANDia アイ... 九十代万歳! (旧 八... ・・・いいんじゃない? 京都発、ヘッドハンターの日記 美容外科医のモノローグ ArtArtArt 芙蓉のひとりごと 真を求めて 皆様とともに... ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
|
ファン申請 |
||