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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
最近、アンチエイジングのセミナーやカルチャー・スクールで、テーマに関わらず必ず聞かれることの一つに、“飲むコラーゲンは効くのか?”という問いがある。
これまでの答えは、“ノー”であった。 コラーゲンのような分子量の大きなタンパク質は、アミノ酸に分解されてから吸収されるので、飲んだものがそのまま皮膚に運ばれて、肌のコラーゲンになることはあり得ないからである。 だが最近になって、分解して生ずるアミノ酸の短い鎖が、そのメカニズムは不明だが、コラーゲンの産生を促すのでは、ということが言われ始めた。 又、分解されても、そのアミノ酸はコラーゲンの原材料として利用されるから飲むことは良いのでは、という考えもある。 似たようなことはコラーゲン入りのクリームについても言える。 皮膚の重要な働きは外敵や異物の侵入を防ぐバリア機能にある。コラーゲンのような分子量の大きなものが皮膚を自由に通過したら、皮膚はバリア機能を果たしていないことになる。 だから、保湿剤としての意味はあっても、コラーゲンを塗って真皮のコラーゲンを補うというのはナンセンスだということだ。 だが、ここにきて皮膚の表面にある表皮細胞には複雑な機能があることが分かってきた。すると、コラーゲンで刺激された表皮細胞が、何らかのメッセージをその深部の真皮層にある繊維芽細胞に働きかけて、コラーゲン産生を促すことがありはしないか。 こう考えてくると、なんに限らず効果を云々する時考えなければならないのは、 ①理論的にありえない、と言い切れることかどうか? ②肝心なことは効果の有無という事実ではなかろうか? ③もし多少とも効果が立証されれば、そのメカニズムを解明し、理論を正さねばならぬのでは? ということになる。 ただ使用者側として心すべきは、その有るか無しかの効き目が費用対効果の面で如何なものか、つまり自分の懐具合ととっくり相談することであろう。
by n_shioya
| 2010-10-14 22:01
| アンチエイジング
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Comments(2)
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ruhiginoue at 2010-10-14 23:35
私は、ゼラチン、豚足、軟骨唐揚げ、鶏皮、魚皮、ふかひれ、エイひれ、などコラーゲン豊富なものが小さい頃から栄養など意識せずとも大好きで、嫌う人の味覚が理解不能でした。
でも、嫌う人はサプリのような摂取をしたがるのでしょうね。
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n_shioya at 2010-10-15 23:39
ruhiginoueさん:
どう消化されようと、皆美味しいものばかりですよね。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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