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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。
行方不明の百寿者たち
このところ、殺人、事故死、子供の虐待死など暗いニュースが続くが、中でも不可解なのは、百歳以上の年寄りの行方が分からないという報道である。
年金不正受給のためというのは、動機は明白なのでさておくとして、行方不明の届け出のない老人がどれほどいるのか、家族はどう対応してきたのか、全く不可解である。
老人が主体性を持って、姥捨て山に姿を消すことをこの国は歓迎しているのとしか思えない。

ガリバー旅行記では後半に“飛ぶ島”という国の話がでてくるが、そこでは何人かに一人の割合で不死人間が生まれるという。
額に黒いワッカの痣の着いたその不死の子供が生まれると、家族中悲しみに包まれる。不死ではあっても不老ではないので、老いさらばえても死ぬことができない不幸な存在であるからだ。
彼らは、80歳になると市民権を奪われ、つまりすべての人権を失い、唯最小限の食糧で生かされている。(これは日本の政党が一部の長老に対して導入を検討すべき事項かもしれないが)

以前、東大の老年看護学の真田弘美教授が、御講演の最後にフィンランドの老人ホームを映されたことがある。どこかのビーチリゾートかと思われる、素晴らしい施設だった。
“フィンランドではこのように老後の保障があるので、若いときから高い税金も喜んで払うのです。皆さん、年をとってこのような施設で暮らすのを楽しみにしています。”

日本で、老年期を心待ちにしている人がどれほどいるだろうか。
ショックだった。
高齢者のQOLがゴールに無ければ、抗加齢医学に何の意味があるだろう。
いまだにあのフィンランドの老人ホームの光景は頭に焼き付いて離れない。
by n_shioya | 2010-08-18 22:46 | アンチエイジング | Comments(9)
Commented by さぼてんの花 at 2010-08-18 23:40 x
ちょっと次元が違うかもしれませんが、少し前におばあさんが志村けんで息子が加藤茶さんで、雪山の姥捨て山に母をおぶって捨てに行くコントがありました
息子が山に捨てに行って家に戻ると母が囲炉裏の前で「おかえり、遅かったね」って迎えるシーン忘れられないくらい愉快で印象深かった
私と息子は20しか歳が離れてません 息子より私のがお元気 山に捨てられたら、驚かそうと私も息子より先に家に帰っているかも! 
豊かな日本ですが、人間生まれるのも一人なら、死も一人 お葬式も要らないけど最後の確認くらいはどなたでもよいがして欲しいものです
Commented by ruhiginoue at 2010-08-19 09:51
 「人が死ぬと、こんなに金がかかるのか」
 と、家族などの死を体験した人は驚きます。行政上の手続きの煩雑さとともに、そのたびにかかる費用。
 医師の診断書そのほか遺体保管などの料金が加わると大変です。
 年金を詐取する以前に、あまりの出費に驚かされるものです。
 また手続きの大変さで目が回り、とくに老人の場合はそれまで健康で医者にかかったことがなく急死した場合は、さらに面倒なことになります。
 それがきっかけとなり、届けをしそびれるのではないでしょうか。
 
Commented at 2010-08-19 20:56 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by HOPE at 2010-08-19 20:59 x
確かにお金や諸々の問題大きいでしょうね、特にこの国のモラルでは…
でも、人間としての最低限のモラルを失った子供達を見て、自ら姿を消す人もいそうなくらい病んでますね
大丈夫なんだろか…
Commented by グリーンノート at 2010-08-19 21:55 x
そろそろ美容にお金を使ってもよい年齢かと、成分のナノ化をはじめとする高機能ハイテク化粧品を買ってみた。
お肌がふっくらするようにとたっぷり使って休んだところ、突然かぶれてしまい従来品に戻ることに。
そもそも肌の老化は病気ではない。自然現象なのだ。やれやれ受け入れるということが大切であった。
小さいころから、もっと人を、全てを受け入れる教育が大切かもしれない、と思う。
Commented by n_shioya at 2010-08-20 09:49
さぼてんの花さん:
本当にそうですね。
Commented by n_shioya at 2010-08-20 09:51
ruhiginoue さん:
自宅で医師の立ち合いがなく息を引き取った時の、後の手続き上のめんどうくささはよく聞く話です。
Commented by n_shioya at 2010-08-20 09:53
HOPEさん:
ちょっと飛躍しますが、最近よく思い出すのは三島由紀夫の遺言というか予言というか、日本の未来を憂えたあの自決の“檄”です。
Commented by n_shioya at 2010-08-20 09:56
グリーンノートさん:
なんでも“自然”が一番です。
ただその“自”の受け止め方も各人各様で、しかもそれをビジネスにしようとするものあり、混乱を招いているのではないでしょうか。


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