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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
ちょっと気になる研究が、メディカル・トリビューンに載っていた。
メディカル・トリビューンは医科向けの週報で、最新の話題や研究発表の抄録が満載され、ぱらぱらページを繰って、タイトルを追うだけでも、専門外の最新情報がキャッチできる便利な出版物である。 今日目にしたのは、“認知症患者を介護する配偶者に認知症発現リスクが6倍に”という記事だ。 発表したのは、ジョンス・ホプキンス大学の精神科とユタ州立大学の共同チームである。 対象になったのはユタ州のキャッシュ郡の高齢者で、12年にわたる追跡調査の結果である。 65歳以上の夫婦1,221組を対象に行っている。 つまり既婚者2442例のうちで認知症と診断された方が255例。 配偶者が認知症と診断されている人が認知症と診断される確率は、認知症の配偶者を持たない人に比べ、6倍高かったという。 これは同じような環境因子の関与だけでは説明できない高頻度であり、研究者たちは、配偶者の認知症リスクの上昇は、介護のストレスによるものと考えているという。 配偶者が認知症になると、危機感で却って頭がしっかりするのではと思っていたが、介護とはそんな甘いものではないようだ。よく考えれば当然な結論ともいえるが、配偶者の介護のストレスについて、認知機能への影響を検討した研究はこれまでほとんどなかったという。 今後は認知症患者を介護する配偶者のストレス緩和が重要な課題になるであろうと結論付けていた。
by n_shioya
| 2010-07-17 22:28
| アンチエイジング
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Comments(2)
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船長
at 2010-07-18 07:15
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以前医師の友人が心配して教えてくれたことですが…
「アルツ等の記憶に関わる問題を平均以上に発するケースには ①強いストレス②更年期③アルコール④主婦業10年以上、 この4つが重なると確率が上がるという研究発表があった」 というもの ②は男女ともなのか確認し忘れましたが、ともかく性ホルモンの減少が関係あるとのこと ④はビックリ、意味を問うたら 「主婦業は単純作業を並行して繰り返すもので、集中を分散させなければいけないし、 達成感が乏しいことが脳への影響が大きいのでは…」とのお答え この研究とやらを思えば、老老介護はもちろん介護全般について当てはまる事が多いなぁ、と思いました ②介護が現実となる年齢は更年期以降が多いし、 ④主婦業に似た分散型単純作業でそれこそ達成感は遠く、これは介護する側が男だろうと同じ 更に①は言うまでもない 介護におけるストレス緩和は明らかに急務ですね
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n_shioya at 2010-07-18 22:42
船長さん:
アンチエイジングの究極の課題は認知症対策です。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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