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NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長が、『アンチエイジングな日々』を
軽快な筆致でつづります。 どうぞお気軽にコメントをお寄せください。 |
昨日はヨットの「復元力」の話だったので、今日は「羅針盤」について。
いくら復元力があっても、目的地を目指してなければ何もならない。 その為の必須の計器が「羅針盤」だ。 「羅針盤」は誰にでも備わっている。ただそれを機能させるためには、使わなければ動いてくれない。つまり復元力と同様、適度のストレスが必要である。 子供でも羅針盤は生れた時から持っている。 適度にほっておかれることで、この羅針盤が作動を始める。親が干渉しすぎると、羅針盤はストップしてしまう。 “親がいても子供は育つ”というのは、この間の機微を揶揄ったのだろう。 それにしても最近の子供は過保護である。 そして「羅針盤」が働かないためにケガをしやすい。それを防ぐために超過保護になり、ますますひ弱になるという悪循環に陥っている。 かつて栄光学園の運動会の名物は、荒々しい騎馬戦と棒倒しだった。それも今は無くなったという。モンスターペアレンツの仕業に違いない。 商売柄よく養護教員や母親たちに子供の怪我のケアをお話しするが、一通り手当の仕方をお話しした後で、 “私には5人の子供がいるが、(育てなのは配偶者で僕ではないが)子供がけがをしないで育つのは奇跡に近い。 むしろ子供は怪我をするのが特権と思って欲しい。それだけ元気な子供だと喜んで欲しい。 ただ、それに対して、現時点で最も適切と考えられる処置をするのは、あなた方の務めです。”と結ぶことにしている。 だから皆さんも、自分の内なる「羅針盤」を大切にして欲しい。そしてぶれずに進路を突き進んで欲しい。 過保護の母親の為に羅針盤が効かなくなったアダルトチルドレンをリーダーに持った国の悲劇を、我々はいやというほど味わったばかりだから。 お分かりと思うが、羅針盤は心だけでなく体にもあるということだ。 アンチエイジングのモットーである“適度な運動、バランスのとれた食事”。 その判断は自分の「体の羅針盤」に任せていいはず。 俗にいう“自分の体に聴け”というのはそういうことではなかろうか?
by n_shioya
| 2010-06-05 22:51
| アンチエイジング
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Comments(5)
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ruhiginoue at 2010-06-06 05:25
その他の学校行事も同様だけど、とくに運動会なんて昔から子供にすれば退屈なだけで、大人が無理矢理つきあわせて、嫌でも楽しいと言わないと怒られるので我慢してます。
優等生の人は自己暗示で美化しているのでしょう。仮に棒倒しが楽しくても、それは他に楽しいことがなかった昔の悲しい現実です。今の子はテレビばかりと言われたのも遠い昔で、今は年寄りがテレビなんていうつまらないものを観ていると若い人から言われています。それだけ進歩・進化したのです。 クロマニヨン人は現代人とそう変わらない身体だけど、より屈強らしかった。でもそれが理想でしょうか。今のほうが進化しているから、新しい問題が生じたことを差し引いても、昔の人より今の人が知性も健康もはるかに優れているはずです。 どんなことでも、昔は良かったという人の言うことは、ことごとく事実に反した美化なのが相場です。戦争が最たる者です。 昔と違うからというだけで否定し、もの言う者に「モンスター」というのは、医師が批判をかわすために流行ってますが、「アカ」とかいうのと同じ論証不在のレッテル貼りです。 そんな言葉を安易に使用して欲しくありません。
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at 2010-06-06 09:25
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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HOPE
at 2010-06-06 09:44
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羅針盤…ですか
確かにそのようなモノを感じること多々ありますね 「大いなる力」と「羅針盤」から目をそらせなければ、こんなにも『困難な時代』にならなかったかも知れませんね でも、その存在を認めるには「謙虚さ」と「真の賢さ」そして「勇気」が必要な気がします さもないと、また心ない人々に「綺麗事」だと怒られそう… 羅針盤…この比喩にすっかり感じ入りました
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n_shioya at 2010-06-06 21:00
ruhiginoue さん:
何事によらず、その故か、にもかかわらずか、判断しにくいことが多いですね。 ところで、今その帰属が問題となっている、大英博物館の目玉展示品、ロゼッタストーンを解読したところ、“いまどきのわかいものは・・・”という出だしだったというジョークを思い出しました。
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n_shioya at 2010-06-06 21:01
HOPEさん:
お互い、羅針盤を大事にしましょう。
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塩谷信幸
1931年生まれ
東京大学医学部卒業 北里大学名誉教授 北里研究所病院形成外科・美容外科客員部長 AACクリニック銀座 名誉院長 NPO法人アンチエイジングネットワーク理事長 見た目のアンチエイジング研究会代表世話人 東京米軍病院でのインターン修了後、1956年フルブライト留学生としてアメリカに渡り、オルバニー大学で外科を学ぶうちに形成外科に魅了される。数年の修業の後、外科および形成外科の専門医の資格を取得。 1964年に帰国後、東京大学形成外科勤務を経て、1968年より横浜市立大学形成外科講師。1973年より北里大学形成外科教授。 1996年に定年退職後も、国際形成外科学会副理事長、日本美容外科学会理事として、形成外科、美容外科の発展に尽力している。 現在は、北里研究所病院美容医学センター、AACクリニック銀座において診療・研究に従事している。 >>アンチエイジングネットワーク >>NPO法人創傷治癒センター >>医療崩壊 >> 過去のブログはこちら(2005年5月26日~2006年5月26日)
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